教えない

ギターを買ってもらいご満悦の次女。
早速、弾いてみたくてしょうがないが、チューニングの仕方もピックの持ち方もわからない。

『最初だし…最低限そのくらいのことはしてあげようかな…。』
そう思い、慣れない『右利用』のギターのチューニングをするおいら…。

音を合わせて次女にギターを渡し、とりあえずダウンピッキングとアップピッキングを教える…。
と、同時にパワーコードの作り方…。

本当は『ほらね、音が出るでしょ？』と行きたいところだったが、上手く弦が押さえられない。
『バイイィィ～ン…』と押さえきれない音がして…。

『いや…だからさ…』
だんだんイライラしてくるおいら。
何とか気持ちを押さえてその場を収める…が…。

『これは、アカン…。』
心の中でそう思う…。

午後、愛犬『クッピ』の散歩に次女を連れ出し、ボソリとひと言、
『あんたにはギターは教えないからね…。』という。
『なんで？』
『覚えたかったら自分で努力しな…。練習も楽しくできなければ嫌になるだけだし。』
『…。』
『そうじゃないでしょ！…なんて言われながら練習したってつまらないし、つまらないことは飽きるしさ…。』
『どうやって覚えたらいい？』
『自分が弾きたい曲、歌いたい曲をできるようになりたいと思えばいいんじゃないの？』

…そんな会話をしながら、次女を諭す（つもり）。

教えない＝放置プレー ではない。
訊かれれば最低限は答える、バックアップもする。
でも、押しつけないようにするには『教える』という気持ちは封印した方がよさそうだ。

とりあえず、２階から全開放弦でピッキング練習するギターの音が聞こえる。
それで良い…。
自分がやりたいように覚えていった方が、楽しいから。

音楽は、趣味は、楽しむもの。
苦痛になったら意味がないから。