「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」
の歌詞で知られる郡上おどりは約420年の歴史があります。
江戸時代に士農工商の人心の安定と融和を図るために
奨励され盛んになったと言われています。
夏の2ケ月間にわたり約30夜開催する郡上おどりの最大の特徴は、
観る踊りではなく参加する踊りというところです。
老若男女、地元の人も観光客もいっしょになって踊り、
服装は自由ですが、浴衣が基本です。
盂蘭盆会の8月13日から16日までの4日間は
翌朝まで踊り明かす徹夜おどりで賑わいます。
10種類のおどりすべてが国の重要無形民俗文化財に指定されています。
○郡上のナー八幡 コラ出ていく時は(ア ソンレンセ)
三度見かやす枡形(ますがた)を
(枡形をノー枡形を)アソンレンセ(三度見かやす枡形を)
※以下、唄ばやし、返し省略
○天のナーお月様 コラかか盗まれて 雲の間(あい)から かかァかかァと
○どんなナーことにも コラよう別れんと 様も一口ゃ 言うておくれ
○踊りナーつかれて コラはや夜が明けた 何の話も できなんだ
○わしのナー殿まは コラこの川上の 水の流れを 見て暮らす
○婆さナー枕元 コラ箱根の番所 通り抜けたも 知らなんだ
○思いナー出しては コラくれるか様も わしも忘れる 暇がない
○夜明けナーましたら コラ起こしておくれ お前頼りで いるわいな
○今年ゃナーこうでも コラまた来年は こうもあろまい なよ殿ま
○声のナー良い衆は コラその身の徳じゃ 諸国諸人に 思われる
○昔ゃナー 侍 コラ今世に落ちて 小笹まざりの 草を刈る
○盆のナー十四日にゃ コラ蓮の葉となりて 一夜もまれて 捨てられた
○何がナー何でも コラお前さでなけりゃ 東ゃ切れても 夜は明けぬ
○桑もナーよく咲け コラお蚕も良かれ 若い糸引きょ 頼まずに
○坊主ナー山道 コラ破れし衣 行きも帰りも 木にかかる
○今宵ナー一夜は コラ浦島太郎 明けて悔しや 玉手箱
○親のナーない子の コラ髪結うてやれば 親が喜ぶ 極楽で
○おらがナー若い時ゃ 五尺の袖で 道の小草も なびかせた
○二十ナー五日は コラ天神祭 ござれ小瀬子の 茶屋で待つ
○天気ナー良ければ コラ大垣様の 城の太鼓の 音の良さよ
○天のナー星ほど コラ夜妻あれど 月と守るは 主一人
○思うナーようなら コラ竹どよかけて 水で便りが してみたい
○咲いてナー悔しや コラ千本桜 鳥も通わぬ 奥山に
○泣いてナー別れて コラ松原行けば 松の露やら 涙やら
○泣いてナー別れて コラいつ逢いましょか いとしあなたは 旅の人
○明日はナーお発ちか コラお名残惜しや 雨の十日も 降ればよい
○高いナー山には コラ霞がかかる 若い娘にゃ 気がかかる
○郡上はナーよいとこ コラよい茶ができる 娘やりたや お茶摘みに
○お前ナー二十一 コラわたしは十九 四十仲良く 暮らしたい
○植えてナーおくれよ コラ畦にも田にも 畦はかかまの しんがいに
○今日のナー田植えは コラ春三月の 桜花かよ ちらちらと
○那比のナー字留良や コラのう亀尾島も 住めば都じゃ のや殿ま
○泥でナー咲かした コラこのかきつばた 活けて根じめが 見てほしい
○気だてナーよけりゃと コラ言うたことぁ言うたが されどご器量が 気にかかる
○人をナー泣かせりゃ コラまた泣かされる ともに泣いたり 泣かせたり
○歌はナー唄やれ コラ話はおきゃれ 話ゃ仕事の 邪魔になる
○わしとナーあなたと コラ草刈る山に 藪や茨が なけりゃよい
○藪やナー茨が コラありゃこそよかれ 藪の木陰も のや殿ま
○もはやナーかわさきゃ コラやめてもよかろ 天の川原は 西東
○天のナー川原は コラ西東でも 今宵一夜は 夜明けまで