ゆめ未来     

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パイルドライバー 何故こんなことが

2017年05月08日 | もう一冊読んでみた
パイルドライバー/長崎尚志  2017.5.8

 横浜市金沢区長芝の住宅街で、一家三人の惨殺死体が発見された。

人は、このような報道に接したとき、まず思うことは、何故。
何故。何が原因で、こんな凄惨なことが起こってしまったのか、だろう。

このミステリーの面白さも、「ふたつの猟奇的な一家皆殺しの凄惨な事件が何故起こったのか、その動機は何か」、このことにつきると思う。
ぼくの一番の興味もそれでした。
作者は、さて、どんな話を紡ぎ出してくれるのか。

『2017年版 このミステリーがすごい!』 国内編第14位 ですが、どうしてどうして、14位とは思えないおもしろさでした。

 最近は無気力で、なにもする気が起きない。生きている実感が湧いてこない。定年後早々と呆ける大先輩。まるで望んだかのように病に倒れ、命を落とす元上司。最悪は、自ら死を選ぶ友人。その三つを予防するため、元の職場のツテで、アルバイトや中途半端な役職に精を出す同期たち。久井は彼らがわからなかった。なぜ就職前にやり残した興味にもどらないのか、なぜ激務から解放されたのに、まだ仕事がしたいのか。自分は絶対にそうならない。要は好奇心。それさえ持ちつづければ、死ぬまで若者として生きていける---ところがどうだろう。自分もまた、退屈地獄に陥っている。

ここに長々と引用したのは、ぼくもまた、久井と同じ感想を持っているからです。

   「働くだけが人生か

ぼくは、上の三つにつまずくこともなく、幸いにして定年後の比較的長い日々を、無事にしかも幸せに(自己満足か?)過ごしています。
また、退屈地獄に悩まされることもない。毎日が忙しい。
これも食いしん坊で美味しいものが食べたい、楽しい時間を持ちたい、旨い酒が飲みたい、こんな単純な好奇心が元気の源かと苦笑もしますが。

こんなぼくが、日頃、疑問に思っていることがあります。
ぼくは、うちのKさんとよくランチに出かけるほうだと思っているのですが、行ってみると、おばさんばっかしが目につきます。
世の爺様達、一体どこで忙しくしているのでしようかねえ。

最後に、このミステリーは、父と子の物語でもありました。

    『 パイルドライバー/長崎尚志/角川書店 』


コメント
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