ゆめ未来     

遊びをせんとや生れけむ....
好きなことを、心から楽しもうよ。
しなやかに、のびやかに毎日を過ごそう。

漆黒の森/渋沢栄一「論語」の読み方/夜の床屋

2015年05月09日 | もう一冊読んでみた
 今週は、この3冊。

漆黒の森/ペトラ・ブッシュ  2015.5.9

 ペトラ・ブッシュの『漆黒の森』を読みました。
ドイツの翻訳ミステリーです。
日本で出版されるドイツミステリーは、英米のものに比べるとその数は、ずっと少なくなります。
それでも、最近は、フェルディナント・フォン・シーラッハの作品が話題になっていました。
ぼくも、彼のミステリーが大好きで、『犯罪』『罪悪』『コリーニ事件』『禁忌』と読みましたが、どれも大変面白く読むことができました。

さて、『漆黒の森』の内容紹介は、東京創元社のHPに譲りますが、大変面白いミステリーでした。

 久しぶりに、「犯人は、一体誰だろうと推理する」楽しみを味わいました。

 ひとりで生きていけばいいんだ、そう自分にいいきかせたいだけなのだ。だが、その段階を過ぎると、虚脱状態が訪れる。
 それは自己防衛なのだ。マルガレーテもあとで夫の死を実感するだろう。それから悲しみが訪れる。深い悲しみ。乗り越えられるといいのだが、そうすれば、嫉妬にはなんの根拠もなかったと悟だろう。それでも喪失感を和らげることはできない。彼女にはだれかが必要だ。家族。子ども。モーリッツは、赤ん坊が無事に産まれて、彼女に生きる気力を与えてくれることを祈った。

 ベルタはげらげら笑った。「それはジーナの薔薇よ、おにいさん。あたしに持ってきてくれるのは青い矢車菊さ」彼女の澄んだ目がふっと笑った。「花言葉は信頼と優雅。知ってた?」


 ぼくも、青い矢車菊がすきです。
あのブルーの色をみつめていると、花のなかに引き込まれそうになります。
それにしても、乳母車のかわりにおんぼろ自転車を押す、ベルタ婆さんは、なんとも魅力あふれる忘れがたい人です。

 ベルタは首を振った。「老いぼれでよかったわ。すべてを理解する必要はないものね」

  『 漆黒の森/ペトラ・ブッシュ/酒寄進一訳/創元推理文庫 』



渋沢栄一「論語」の読み方/竹内均編・解説  2015.5.9

 もうこの歳になると、立身出世とか、金持ちになるのはどうすれば、などと思い煩い、悶々として眠れぬ夜を過ごすこともない。
それでも、この種の本を手にとって、過ぎし日のことを思いながら読むのも、また楽しい。

それでも、今でも心がけていることはある。

   己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ。

また、笑ってしまったのは、次の一文。

 三徳兼備の人は少ないものである。なかには知はあれども、いわゆる奸智・悪知恵であり、勇はあるけれども、蛮勇・猪勇(ちょゆう)にすぎないという人もいる。

そうだ!と膝を打ったのが、

   善友は助け合って成功し、悪友は誘い合って堕落する

  『 渋沢栄一「論語」の読み方/竹内均編・解説/三笠書房 』



夜の床屋/沢村浩輔  2015.5.9

 沢村浩輔さんの『夜の床屋』を読みました。
一編、一編の作品がそれぞれ独立した作品の短編集だと思っていたのですが、読んでみると..........
楽しく読みました。

  BOOK asahi.com....................予想外の壮大な展開に脱帽

  『 夜の床屋/沢村浩輔/創元推理文庫 』


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「めいらく苑」さん、ご無沙... | トップ | 長期保有のスタンスは変わら... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

もう一冊読んでみた」カテゴリの最新記事