今週は、この2冊。
赤く微笑む春/紙の動物園/
■赤く微笑む春/ヨハン・テオリン 2016.4.23
ヨハン・テオリンの「エーランド島」四部作。
|黄昏に眠る秋
|冬の灯台が語るとき
|赤く微笑む春
|夏の凍える舟
まだ未読の『赤く微笑む春』を読みました。
暗く、そして地味なミステリです。
「ペッレ」と「ジェリー」の父と子の"物語"を中心に、エーランド島の自然を舞台にして、それぞれが各自の人生を歩みます。
テオリンのエーランド島の物語を読んでいると無性に"伊豆の海"に行きたくなります。
【爪木崎/横山辰雄氏撮影】
ふたりのあいだにはもう愛がない。優しさがあるだけだった。
あの人たちは、たいてい自分の記憶のなかで生きて、現実世界は駆け足で訪れるだけだ。だが、ときには予想もしないことをする。なにか思いついたり、逸話を話したり、恥知らずの告白をすることもある。
「なにをやったとしても、もう過去のことよ。若い頃はバカなことをやってそれを後悔するし、バカなことをなにもやらなかったら、やっぱり後悔する。遅かれ早かれ。そう思うでしょう?」
母が死んでからと言うもの、ヘンリは心も、身体も、消えかかっているようだ。朝になれば歌いながら玄関前の石段を下りていき、石切場へ出かける。夜になっても、立ちすくんで星を見あげていることが少なくない。
ポルノ業界ではすべての力をもっているのは男たちなんだよ。男が顧客で、金を払うのも男、大事なのは男の価値観。それが人生だ
こんな一口情報も楽しい。
ハシバミはいつも特別だった。魔法の杖にも占いの棒にも使われてきた木だ。
『 赤く微笑む春/ヨハン・テオリン/三角和代訳/ハヤカワ・ミステリ 』
■紙の動物園/ケン・リュウ 2016.4.23
「紙の動物園」は、せつなく悲しい短編です。
出来れば読みたくなかった物語です。
「文字占い師」は、おとぎ話の心やさしい物語と思ったのだが.............これもできれば読みたくなかった。
「良い狩りを」は楽しいお話でした。
男たちが本能的に知っているのに、女たちは学びとらねばならない類の教訓のようだった。
われわれは失われるまで幸せに気づかないことがよくある。
「あたしたちにできることがたったひとつある。生き延びるために学ぶのよ」
『紙の動物園/ケン・リュウ/古沢嘉通編・訳/ハヤカワ・SF・シリーズ』
赤く微笑む春/紙の動物園/
■赤く微笑む春/ヨハン・テオリン 2016.4.23
ヨハン・テオリンの「エーランド島」四部作。
|黄昏に眠る秋
|冬の灯台が語るとき
|赤く微笑む春
|夏の凍える舟
まだ未読の『赤く微笑む春』を読みました。
暗く、そして地味なミステリです。
「ペッレ」と「ジェリー」の父と子の"物語"を中心に、エーランド島の自然を舞台にして、それぞれが各自の人生を歩みます。
テオリンのエーランド島の物語を読んでいると無性に"伊豆の海"に行きたくなります。
【爪木崎/横山辰雄氏撮影】
ふたりのあいだにはもう愛がない。優しさがあるだけだった。
あの人たちは、たいてい自分の記憶のなかで生きて、現実世界は駆け足で訪れるだけだ。だが、ときには予想もしないことをする。なにか思いついたり、逸話を話したり、恥知らずの告白をすることもある。
「なにをやったとしても、もう過去のことよ。若い頃はバカなことをやってそれを後悔するし、バカなことをなにもやらなかったら、やっぱり後悔する。遅かれ早かれ。そう思うでしょう?」
母が死んでからと言うもの、ヘンリは心も、身体も、消えかかっているようだ。朝になれば歌いながら玄関前の石段を下りていき、石切場へ出かける。夜になっても、立ちすくんで星を見あげていることが少なくない。
ポルノ業界ではすべての力をもっているのは男たちなんだよ。男が顧客で、金を払うのも男、大事なのは男の価値観。それが人生だ
こんな一口情報も楽しい。
ハシバミはいつも特別だった。魔法の杖にも占いの棒にも使われてきた木だ。
『 赤く微笑む春/ヨハン・テオリン/三角和代訳/ハヤカワ・ミステリ 』
■紙の動物園/ケン・リュウ 2016.4.23
「紙の動物園」は、せつなく悲しい短編です。
出来れば読みたくなかった物語です。
「文字占い師」は、おとぎ話の心やさしい物語と思ったのだが.............これもできれば読みたくなかった。
「良い狩りを」は楽しいお話でした。
男たちが本能的に知っているのに、女たちは学びとらねばならない類の教訓のようだった。
われわれは失われるまで幸せに気づかないことがよくある。
「あたしたちにできることがたったひとつある。生き延びるために学ぶのよ」
『紙の動物園/ケン・リュウ/古沢嘉通編・訳/ハヤカワ・SF・シリーズ』
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