今週は、この3冊。
■NOS4A2-ノスフェラトゥ (下)-/ジョー・ヒル 2015.8.29
引き続き、ジョー・ヒルの『NOS4A2-ノスフェラトゥ (下)-』を読みました。
以下の文でながながと引用しますが、ダークファンタジーと謂えども、なかなかどうして哲学的です。
紹介の文に「ベストセラー作家ジョー・ヒルが放つ.......」とありますが、読後、肯けました。
最後の結末はどうなるのだろうかと、読みながら、考えながら最後まで引っ張られました。
特に、上巻後半から、下巻にかけての展開に目が離せません。
上下巻でp1200あまり、倦かずに読ませます。
泣いてもいいが、笑うことをやめるな。
幸せをあきらめるな。
おまえは両方必要だ。わたしには両方あった。
お前を愛している----父より。
わたしが人生で最高の幸せを味わえたのは、決まって女の影響を受けていない時期だったんだよ!女のいいなりにならなくてすんだ時期だ。男の人生はその大半が、つぎつぎ女に手わたされながらも、女につくすことを強いられてばかりだ。......女がつくった決まり事をちゃんとこなせば、たいがいの男は自分をちょっとは価値のある人間だと思う。そこから、男にとっての価値観のすべてがもたらされる。しかし、女の関係をきれいさっぱり整理すると、男はささやかな心の平静を得られる。自分自身やほかの男は別にして、駆引きの相手がいなくなれば自分が見えてくる。そういうのはいつだって気分がいい
考えてみれば人はいつだって想像を現実の存在につくり変えているではないか----頭のなかにきこえてくる音楽を録音したり、想像の世界で見た建物を現実につくったり。幻想とはつねに、命を吹きこまれるのを待っている現実のことだ。
マギーの顔全体が一気に輝いた。
青い空、どこまでも青い空にあがっていく凧を目にした子供のように。
文学的表現も随所にみられ、やさしい人ほど短命なのは哀れを誘います。
余談ですが、この本の解説で、「ジョー・ヒルがスティーヴン・キングの実の息子である」ことを知りました。
『 NOS4A2-ノスフェラトゥ (下)-/ジョー・ヒル/白石朗訳/小学館文庫 』
■億男/川村元気 2015.8.29
川村元気さんの『億男』を読みました。
川村さんの小説は、これで2冊目です。
2013年12月に『世界から猫が消えたら』を読みました。
どちらの小説も心優しい人々の話でした。
お金があれば幸せか
お金で買えないものはないのか
「何億円というお金があったら」人はどうなると誰もが思うことが書かれています。
「ほとんどの宝くじ高額当せん者は十年後、元の生活に戻っている」
お金で幸せを買うことはできないかもしれない。だが少なくとも、自由を手に入れることはできる。好きなことをする自由。嫌なことをしなくて済む自由。
「富は海の水に似ている。それを飲めば飲むほど、喉が渇いていく」
「幸福」について考え続けた哲学者のショーペンハウアーは言った。
TVを観ていたら、拘置所や刑務所でもお金を持っているか否かで、過ごしやすさが違うと、コメンテーターが言っていた。
好きな弁当を食べることができたり、石鹸やタオルなども好みのものが使えるなど。
ぼくは、知らなかった。
お金と人生について参考になる本読みました。
『絶叫/葉真中顕/光文社』
『 億男/川村元気/マガジンハウス 』
■光/道尾秀介 2015.8.29
道尾秀介さんの『光』を読みました。
ぼくは、若手作家のなかでは、道尾さんに注目をしていますから、目に付けば読むことを心がけています。
少年と少女の物語ですが、ぼく自身の少年時代と比べてみると、この物語には陰が少ない。
誰にでも、他人には話したくない、聞かれたくないような闇の部分が、一つや二つはあると思うのですが。
明るすぎるのです。
道尾秀介...................冒険はいつだって身近なところに眠ってる
目にしたい何かや、手にしたい何かが絶対に実存すると信じられるのは少年たちの特権で、それができなくなったときに少年時代は終わるのだ。
じつのところ、やり方はわかっている。
奇蹟を起こすたった一つの方法。
それは、強く願うことだ。
『 光/道尾秀介/光文社 』
■NOS4A2-ノスフェラトゥ (下)-/ジョー・ヒル 2015.8.29
引き続き、ジョー・ヒルの『NOS4A2-ノスフェラトゥ (下)-』を読みました。
以下の文でながながと引用しますが、ダークファンタジーと謂えども、なかなかどうして哲学的です。
紹介の文に「ベストセラー作家ジョー・ヒルが放つ.......」とありますが、読後、肯けました。
最後の結末はどうなるのだろうかと、読みながら、考えながら最後まで引っ張られました。
特に、上巻後半から、下巻にかけての展開に目が離せません。
上下巻でp1200あまり、倦かずに読ませます。
泣いてもいいが、笑うことをやめるな。
幸せをあきらめるな。
おまえは両方必要だ。わたしには両方あった。
お前を愛している----父より。
わたしが人生で最高の幸せを味わえたのは、決まって女の影響を受けていない時期だったんだよ!女のいいなりにならなくてすんだ時期だ。男の人生はその大半が、つぎつぎ女に手わたされながらも、女につくすことを強いられてばかりだ。......女がつくった決まり事をちゃんとこなせば、たいがいの男は自分をちょっとは価値のある人間だと思う。そこから、男にとっての価値観のすべてがもたらされる。しかし、女の関係をきれいさっぱり整理すると、男はささやかな心の平静を得られる。自分自身やほかの男は別にして、駆引きの相手がいなくなれば自分が見えてくる。そういうのはいつだって気分がいい
考えてみれば人はいつだって想像を現実の存在につくり変えているではないか----頭のなかにきこえてくる音楽を録音したり、想像の世界で見た建物を現実につくったり。幻想とはつねに、命を吹きこまれるのを待っている現実のことだ。
マギーの顔全体が一気に輝いた。
青い空、どこまでも青い空にあがっていく凧を目にした子供のように。
文学的表現も随所にみられ、やさしい人ほど短命なのは哀れを誘います。
余談ですが、この本の解説で、「ジョー・ヒルがスティーヴン・キングの実の息子である」ことを知りました。
『 NOS4A2-ノスフェラトゥ (下)-/ジョー・ヒル/白石朗訳/小学館文庫 』
■億男/川村元気 2015.8.29
川村元気さんの『億男』を読みました。
川村さんの小説は、これで2冊目です。
2013年12月に『世界から猫が消えたら』を読みました。
どちらの小説も心優しい人々の話でした。
お金があれば幸せか
お金で買えないものはないのか
「何億円というお金があったら」人はどうなると誰もが思うことが書かれています。
「ほとんどの宝くじ高額当せん者は十年後、元の生活に戻っている」
お金で幸せを買うことはできないかもしれない。だが少なくとも、自由を手に入れることはできる。好きなことをする自由。嫌なことをしなくて済む自由。
「富は海の水に似ている。それを飲めば飲むほど、喉が渇いていく」
「幸福」について考え続けた哲学者のショーペンハウアーは言った。
TVを観ていたら、拘置所や刑務所でもお金を持っているか否かで、過ごしやすさが違うと、コメンテーターが言っていた。
好きな弁当を食べることができたり、石鹸やタオルなども好みのものが使えるなど。
ぼくは、知らなかった。
お金と人生について参考になる本読みました。
『絶叫/葉真中顕/光文社』
『 億男/川村元気/マガジンハウス 』
■光/道尾秀介 2015.8.29
道尾秀介さんの『光』を読みました。
ぼくは、若手作家のなかでは、道尾さんに注目をしていますから、目に付けば読むことを心がけています。
少年と少女の物語ですが、ぼく自身の少年時代と比べてみると、この物語には陰が少ない。
誰にでも、他人には話したくない、聞かれたくないような闇の部分が、一つや二つはあると思うのですが。
明るすぎるのです。
道尾秀介...................冒険はいつだって身近なところに眠ってる
目にしたい何かや、手にしたい何かが絶対に実存すると信じられるのは少年たちの特権で、それができなくなったときに少年時代は終わるのだ。
じつのところ、やり方はわかっている。
奇蹟を起こすたった一つの方法。
それは、強く願うことだ。
『 光/道尾秀介/光文社 』
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