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第三帝国/通い猫アルフィーの奇跡/

2016年10月22日 | もう一冊読んでみた
 今週は、この2冊。
 第三帝国/通い猫アルフィーの奇跡/

第三帝国/ロベルト・ボラーニョ

第三帝国』は、ボラーニョの作品であり、白水社の本ですから、「\3600-+税」とぼくにはとっても高価なのですが、早速、手にしました。
すごくおもしろいと言うことでもありません。
しかし、なぜか、この本を置くことができませんでした。
ついつい最後まで読んでしまいます、ボラーニョ作品では、毎度のことなのですが。
ボラーニョには、つかんで離さないところがあります。

この小説の雰囲気が、よく表現されている部分を、長くなりますが引用します。
こんな感じです。

 午前中はいつも空しい行動をするうちに過ぎていった。泳ぎ、しゃべり、雑誌を読み、体中にクリームや日焼けオイルを塗って過ごしたのだ。早めの昼食を摂ったレストランは、僕たち同様、水着姿でオイルのにおいを発散する(食事時にはいいにおいとはいえない)観光客でごった返していた。食後に僕はどうにか逃げおおせた。インゲボルクとハンナ、チャーリーの三人はビーチに戻ったが、ぼくはホテルに帰ったということだ。僕は何をしたか?大したことはしていない。ゲームを見つめても集中できず、昼寝をすると六時まで悪夢にうなされた。海水浴客の大群がめいめいホテルやキャンプに引き返す様を確認するとビーチに下りた。その時間は悲しく、海水浴客たちは哀れだ。疲れ果て、太陽にもうんざりしながら、投降を決めた兵士のように建物群のシルエットに目を向ける。用心深いけれども、いささか軽蔑したような、いばったところのある態度で、まだやってこない危機に臨もうとするかのようにビーチを、そして海岸通りを横切る彼らののろのろした足取り、角を曲がってすぐに日陰へと逃げ込む、その独特な脇道への入り方、それらは一種、空虚さへの賛辞のようで、そんなふうに彼らはそこへ向けてまっしぐらに突き進んでいく。

巻末にある、都甲孝治氏の「解説 死帝国」には『第三帝国』の書評が簡潔に述べられています。
また、「訳者あとがき」には、ボラーニョの簡単な略歴がまとめられていて、大変参考になります。

 『 第三帝国/ロベルト・ボラーニョ/柳原孝敦訳/白水社 』


通い猫アルフィーの奇跡/レイチェル・ウェルズ

「世故に長けた」猫の話か。
大人の童話でしたね。
途中から、結末が透けて見えてくる、しかし、ジョーの末路が見たくて最後まで。

  読書メータ………猫派も犬派も

表紙カバーのイラストに魅せられて手にした一冊。

 『 通い猫アルフィーの奇跡/レイチェル・ウェルズ/中西和美訳/ハーパーコリンズ・ジャパン 』


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