バルブクリアランスの点検。
現在、バイクのエンジンはほとんどが4サイクルエンジンというタイプのエンジンになっています。
少し前までの小、中排気量のバイクは2サイクルというタイプでしたが、大気汚染、公害という社会問題に淘汰されほぼ絶滅?しているのが現状です。
4サイクルのエンジンで重要な整備に バルブクリアランスの点検 があるのですが、良くわからない?あまり狂わない?調子が悪くなったら調整する、不調になったら乗り換える、お金がかかるからやらない、、、など、理由があるのか?あまりやる方がいないのが現状ですね。
カムシャフトの山に沿って、バルブを開閉する、回転運動から往復引導に変換する大事な部分なんですが、距離やオイル管理、使用状況なfどが要因で狂ってくるかもしれないのがバルブクリアランスです。
スポーツバイクで気持ち良く走る!そんな方はエンジンの中の部分にまで気を使い、不安な部分は無くして走りたいですね。
プラグを外して、、、
圧縮上死点を出します。カムはバルブを押していない位置ですので、クリアランスを点検、確認が出来ます。
シックネスゲージでクリアランスの確認です。
サービスマニュアルには、、、IN 0.07~0.12mm、EX 0.12~0.17mm となっています。
この範囲に入っていればOKなのですが、このエンジンの場合若干大きく(広く)なっていましたので調整をいたします。
調整は冷間時に行います。温まっていると金属が膨張していますので調整ができません。
調整はネジでちょうど良いクリアランスにいたします。
この様にネジ式だと簡単に出来ますが、DOHCのヘッドなどはシムを入れ替えるタイプもあり、工程が多くなるのもありますね。
バルブクリアランスの調整の仕方でエンジンの調子も変わってきますよ。
少し前ですが、、、CRF450Rというモトクロス用のバイクのクリアランスを調整いたしました。
CRF450Rもクリアランスはo.oo~o.oommの範囲に入っていればOKなのですが、狭目の範囲内にギリギリに調整をした所、キックの踏み応えがものすごく硬くなってしまいました。
クリアランスを小さくすれば、カムの作用角が大きくなりエンジンの効率が変わってきます。。。
そんな事でキックの踏み応えも変わったのかなあ?って思いました。
自分たち、メカニックの頭を悩ませるのが、、、50ccスクーターのエンジンの突然死です。
50ccは難しい!
突然死の原因のひとつに 燃焼室のカーボン(燃えカス) が吸排気バルブの当たり面にかみ込んで、シリンダーの圧縮漏れを引き起こします。
これが、、、判断も難しいし、対策や修理も悩ませてくれます。
各メーカー、少ないですがこんな現象でエンジンがかからない!って50ccスクーターがあります。
大きな排気量はあまりならないのですが、50ccが。。。
エンジンをかける、、、ガソリンを爆発させてピストンを押し下げ回転エネルギーに変換しますが、すべてのガソリンのエネルギーを使えるのではなく、排気ガスや熱になって捨ててしまう部分もあります。
なのでエンジンは熱くなります。
その熱で熱くなる時に急激に熱くなるのではなく、シリンダーヘッドのバルブがはじめに熱を受け膨張して、、、じょじょに周辺の部品が膨張して、全体が満遍なく温まったところで各部のクリアランスが最適になるように設計されているんだそうです。
バルブが膨張してしまうのは仕方ありませんが、その時にバルブクリアランスが極端に小さく、または0なってしまい圧縮漏れをおこしてしまうことがあります。
そしてエンジンが不調に。。。
某メーカー製の50ccスクーターが、、、エンジン不調に、、、
その対策として某メーカーはバルブクリアランスの変更を指示してきました。
クリアランスを広く変更する事で、熱膨張初期のバルブの伸びの時に、クリアランス不足にならないように対策です。
悪い条件が重なるとこんな事になったりします。
なので基本に忠実な整備が必要だと思います。