こんにちは。歯科医師の山口です。
3月22日に、九州大学医学部百年講堂大ホールで開催されました、九州大学再生歯科インプラント研究会2021年度学術講演会に院長と2人で参加し、私が発表してきました。
九州大学再生歯科インプラント研究会は、11年前に、九州大学歯学部義歯補綴科の古谷野潔教授と松下恭之准教授によって立ち上げられた、客観的で、科学的根拠に基づいたインプラント歯科学を学ぶための勉強会です。
会員は、九州大学歯学部義歯補綴科、口腔外科、そして歯周病科所属の歯科医師や大学院生をはじめ、開業医、勤務医、歯科技工士で構成されており、院長と私も会員となっています。
ここ2年間は、コロナ禍のため、ウェブ開催となっていましたが、コロナ前は月1回の九州大学歯学部講義室での2時間程度の講演・講義と、年に1回の、大場所を貸し切っての、盛大な学術講演会が開催されてきました。
残念なことに、本研究会は、発起人の古谷野教授と松下准教授の定年退官に伴い、今回の学術講演会をもって閉会が決定し、最後は対面での現地開催で、10名の会員発表によって締めを飾ることとなりました。
私は今回光栄なことに、10名の発表者の1人としてご指名をいただき、「インプラント周囲炎を予防するデジタルワークを用いたインプラント治療」という演題で発表させていただきました。
インプラント治療は、歯を喪失した時の有効な欠損治療ですが、その一方で、適切に治療を行わないと、インプラント周囲疾患(インプラントのまわりの歯茎が炎症を起こしたり、骨が溶けたりする病気)に罹りやすくなり、最悪の場合、インプラントを失ってしまいます。今回の発表では、わたしたちが、学術の場(論文や学会等)で報告されている知見をベースに実践してきた、インプラント周囲疾患の発症を予防するための治療戦略について、2つの症例を通して報告しました。30分程度の講演でしたが、多くの先生方に興味を持っていただき、有意義な発表となりました。
人前で、今回のような発表をおこなうことで、自分たちが、日常行っている治療を客観的に評価してもらうことができます。そして、評価や助言、時には批判を受けることで、治療方針の修正やバージョンアップを行ういい機会となり、最終的に患者さんの口腔、全身健康の促進につながると考えています。
今回の発表は、数年間にわたり、わたしに、インプラント歯科学について、常に、学ぶ機会を与えてくれた九州大学再生歯科インプラント研究会に、学びの成果を少しでも、お示しすることができたのではないかと思っています。
再生歯科インプラント研究会は、閉会してしまいますが、有難いことに、4月から九州大学義歯補綴科の研修登録医となる許可を頂くことができましたので、今後も引き続き、知識と技術の研鑽に努めていきたいと思います。
くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター(佐賀県鳥栖市)
副院長 山口 竜亮