2月22日、日本臨床歯周病学会 第2回九州支部教育研修会にて、歯科衛生士の小川が講演をさせて頂きました。臨床歯周病学会では、チーム医療をテーマに今までも様々な講演がされてきましたが、今回当院からはSPT(メインテナンス)について、歯科衛生士の立場でお話しさせて頂きました。
表題は、「歯とインプラントを一生守るためのSPT:歯科衛生士は何を理解し、どう実践するのか」です。お口の中の病気は、主に虫歯や歯周病です。当院のブログをご覧になられてらっしゃる方は、もうお詳しいかもしれませんが、インプラントも歯と同じようにインプラント周囲疾患という病気があります。どちらも「予防」が大切です。その予防がSPTとご家庭での正しい口腔清掃となりますが、歯科衛生士が主にSPTを行う為、正しい知識と管理方法で行わなければ、良い結果は出ません。世界ではSPTに対する有効性を立証した文献も多く出ています。
しかし、数ヶ月に一度、もう何年もSPT(メインテナンス)に通っているのに、だんだん悪くなっているような気がする。または、どんどん歯が抜けていく…というようなことを耳にすることもあります。残せないであろう歯を妥協的に残している場合は別として、きちんとしたSPTを行っていれば、悪くなっていく事は殆どありません。
今回講演させて頂いた内容の一部をご紹介します。
今回講演させて頂いた、広汎型重度慢性歯周炎の患者さまのデータで、歯周ポケットの深さ4mm以上の割合と、平均の深さを表しています。初診では、とても深かった歯周ポケットが治療終了後は安定し、SPTに入ってから、現在まで再発することなく、安定しています。
次に、出血率ですがこちらも同じ結果が出ています。では何故、安定した状態を維持できるのか。歯科衛生士としてどう行っていくべきなのかをお話させて頂きました。
歯やインプラントを長期に安定化させる為には、(1)患者さまの病状、パーソナリティ、どのような治療を受けてきたか、経過はどうかを十分に理解する(2)リスクを診断した上でSPT計画を立てる(3)確実な診査、診断、再モチベーション、インスツルメンテーションを行う事が大切です。
当院では上記のような診査を行います。患者さまの中には「今日は、チクチクの検査~?やだなぁ~」なんてお声も聞かれることがありますが(笑)リスクを知る為に大切な診査なのです。そのような診査の積み重ねから、私たちは皆さんの状況を把握し、現在のSPTを続けていて良いのか、治療に戻るべきなのか、ご来院の間隔はどうするかなど検討します。
少し難しい話が続きましたので写真を。
今回の会場は福岡の国際会議場でした。約300人の方がいらっしゃいました。衛生士は、高橋、内田が参加(応援)に来てくれました♪
緊張しましたが、講演も無事に終わり、きちんとデータが出ている内容で斬新だったとのお声もいただけたそうです。
お決まりの、集合写真です♪今回の講演が無事に成功したのも、院長はじめスタッフ皆さんの協力があってこそです。診療後、皆さん忙しく疲れている中、ディスカッションの時間を作ってくださり、とても感謝しております。これからも患者さまの為に、スタッフ一同頑張ってまいります。今回の講演が、市丸歯科スタッフはもちろん、地域医療の貢献になれれば幸いです。
(医)くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント・歯周病センター(佐賀県鳥栖市)
TEL:0942-81-5410 歯科衛生士 小川希和子