2016年2月7日に福岡市レソラNTT夢天神ホールで開催された日本臨床歯周病学会第2回九州支部教育研修会に参加してきました。前日は、長崎泊で、長崎大学歯周病学教室同門会・学術講演会に参加(院長の市丸が発表)したため、早朝六時半の特急で博多入りするという超ハードスケジュールのもとでの研修会でした。
本研修会は「歯を残そう!進化する歯周治療- 歯周病の包括的な治療戦略とメインテナンス-」というメインテーマをもとに4人の歯科医師・歯科衛生士の演者が講演されました。会場に到着した時には、座る場所を探すのに一苦労するほど、会場はほぼ満席状態で、向上心のある歯科医療人の熱気にあふれかえっており、前日の夜更かしと早起きによる眠気が一気に吹き飛びました。
最初の講演は、岡山県でご開業の岩田光弘先生による歯周治療を行う上で、天然歯を保存するために如何に矯正治療を役立てるかという話でした。矯正治療は、歯周病がある歯に対して行うと、かえって歯がなくなる方向に働いてしまいます。しかしながら、正しい歯周病治療により歯周病を治癒あるいは抑制したのちに矯正治療を行うことで、天然歯を長期的に保存することが可能とされています。岩田先生の講演では、歯周治療の中における矯正治療の役割を最新のエビデンス(科学的根拠)をもとに症例を通してわかりやすくお話ししていただきました。
2つ目の講演は、福岡市と静岡県浜松市の歯科医院勤務の2人の衛生士さん(藤本和泉さんと中山かおりさん)による講演でした。内容は、歯周治療を成功させ、長期的に天然歯を保存するにあたっての、アシスタントワーク、患者さんとのコミュニケーションワークに関するそれぞれの取組みや考え方を話していただきました。2人とも、それぞれの歯科医院に10年以上勤務されており、歯科医業のスキルや知識はもちろんのこと、歯科医師と同程度、あるいはそれ以上に患者様第一に、歯科衛生士としての誇りをもって歯科医業を行っているのがひしひしと伝わってくるような講演でした。
最後に静岡県浜松市ご開業の石川知弘先生による歯周再生療法に関する講演でした。今や歯科の領域でも再生療法が広く普及してきており、以前は抜歯の宣告を受けていたような歯も、長期的に保存・維持できるような時代になってきました。当院においても歯周再生療法に積極的に取り組んでおり、良好な結果を得ています。石川先生の講演では、歯周再生療法の最新のエビデンスを中心に、いかに良好な結果を導くかのノウハウを、実際の術中の動画などを交えながらわかりやすくお話しいただきました。
今回は、前日の長崎での講演と連日で歯周病学および治療についてみっちりと勉強でき、さらに患者様の口腔健康向上に役立てるための糧を得たと思います。
くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター(佐賀県鳥栖市)
副院長 山口 竜亮