去る、2021年7月25日、佐賀県歯科衛生士会の、ZOOM研修会に参加しました。
講師は当院の院長で、
「歯周疾患,インプラント周囲疾患を治すポイント」
~歯科衛生士が実践した症例から学ぶ~
という表題にて発表しました。
まずは歯周炎の新分類について。
今までは、歯周炎は、大きく侵襲性歯周炎、慢性歯周炎に分けられ、それが重度・中等度・軽度と重症度を表していましたが、
2018年のオランダ アムステルダムにて開催された「EuroPerio9」にて、新分類として発表されました。
新分類では、健全歯周組織と歯肉炎における分類と診断基準として、
付着の喪失と骨吸収を認めない場合は、健全あるいは歯肉炎。
付着の喪失、骨吸収を認める歯周組織に対しては、歯周炎の既往歴の有無とアタッチメントロス、ポケット深さ、出血、レントゲンにおける骨吸収などを診断の基準とします。
そして歯周組織破壊の重症度や広がり、治療の難易度を「ステージ1~4」で分類。
将来的なリスク(歯周炎の進行速度、治療に対する反応の良し悪し)を「グレードA~C」で分類。
また、グレードの中には、喫煙と糖尿病の有無も加わりました。
その分類についての説明と、患者さんへの対応の仕方について学びました。
2018年のEuroPerio9には、院長、副院長で参加し発表もしていました。
当時、帰国してから「新分類」について耳にし、
当初は私自身、「難しいな…こりゃ、困ったぞ」と思っておりましたが 笑
先生方の翻訳と分類についての院内セミナーでの勉強会、
そして、衛生士でもステージグレード分類ができるチャートも作成してもらい、理解することができました。
その新分類についてと、
歯周炎やインプラント周囲炎(インプラントのまわりの炎症や骨が溶ける病気)の予防や治療について、日頃から私たち衛生士がどのように行っているかの講義でもありました。
私自身にとっては復習となる内容でしたが、
参加された衛生士のみなさんにとっては、少し難しいと感じたかもしれません。大丈夫です。私も3年前は難しいと思ってましたから…
当院にいらっしゃっている患者さん全ての方の治療計画では
新分類にてステージグレード分類しています。
まだまだ先生方に頼っている部分が大きいですが、当院の衛生士も
ステージグレード分類ができるようになっています。
これからもいち早く、世界の情報に耳を傾けている当院の衛生士として
しっかりと理解し、後輩たちをリードしていけるよう頑張ろうと思います。
(医)くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター
(佐賀県 鳥栖市)
TEL : 0942-81-5410
歯科衛生士 小川希和子