室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

つくば行き

2010-01-11 12:28:48 | Weblog
昨日は、つくばの“ノバホール”で地元の幼稚園主催のコンサートがありました。

かなり長く続いているコンサートです。ピアノは毎回入るとは限らないのですが、このところ『唱歌メドレー』を園児の皆さんが歌う企画が続いていて、編曲もあり、私も続けて参加させて頂いています。

園児の皆さんの歌声が可愛らしくて、たまりません。『雨ふりお月さん』の「しゃらしゃーらー」と歌って高くなるあたりを、普通なら子供はほとんど怒鳴るように歌うかと思われるのに、こちらの園児さんは自然にきれいな声で歌います。お行儀も良くて、2時間のコンサートを走り回ることもなく、おとなしく、でも反応するところは反応して、ちゃんと聴いています。厳しくしつけされている様子でもなく、ただ感心してしまいます。

ホールは響きが豊かで、美しく音を増幅してくれるのですが、オーケストラの人数が広がると、上手(かみて)から下手(しもて)まで、かなりの距離になり、“時差”が発生します。これが厄介です。

ピアノは一番上手にあって、打楽器の小物群はおよそ20mくらい向こうの下手奥。自分の位置からは打楽器が遅れて聞こえるのです。自分の耳でぴったり同時に弾こうとすると、タイミングを待たなければなりません。ところが、打楽器からは私がとても遅れているように聞こえるのです。

これは、単純に距離だけの問題ではないように思います。ホールの形もあるんじゃないかなあ。客席で聴くより、ステージ上の方が残響が長い印象でした。楽器セクションごとのサウンドが、調理台の上にパンケーキをお布団のように重ねて、その合間にチョコレートやフルーツ、ホイップ生クリーム、仁丹などが見え隠れする《巨大なパフェ》のように聞こえました。

人間の耳に(頭脳に?)同時に認識できる音は4つか、5つがせいぜいで、あとは“ブレンド”されるか、“お布団群”の中に“埋もれる”かです。このホールは“ブレンド”というより“埋もれる”系なのかなあ。

本番は、とにかくグロッケンの0.4秒前をひたすらキープすることに専念して弾きました。ステージ中央の位置なら0.2秒でOKだったかなあ。  せっかく“響きの良いホール”と思っているのに、音楽的に心地良く弾いていなくて、何が“良い”のか? 誰が心地良く聴いていたのか?

前回ご紹介したシルヴューが《テアトロ・マッシモ歌劇場》で来日した時に、「日本のホールは響き過ぎが多いなあ」と言っていましたが、どうなんでしょうね?

でも、かつて“時差”を感じた記憶のある《東京芸術劇場》でもうじき本番があるので、それを思い出す良い契機になりました。不思議なことに、ここ近年は“時差”をそれほどは感じないんですけどね。

何なんでしょうね、“時差”って? ヒト、モノ、カネ・・じゃなくて、ヒト、場所、曲ですかねえ?

Trio Siciliano

2010-01-08 10:19:40 | Weblog
イタリアはシチリアの《トリオ・シチリアーノ》からCDが届きました。

私が編曲して出版されているピアソラの曲が3曲、収録さてれいるのです。《トリオ・シチリアーノ》かっこいい名前でしょ?

http://www.triosiciliano.it/

バイオリンのSilviu Dima シルヴューは、シチリアの首都パレルモのオペラ座《テアトロ・マッシモ》のコンサートマスター。そもそも1998年に“リベルタンゴ”のバイオリン、チェロ、ピアノのトリオ版を編曲出版して少し経ったころ、インターネットが普及し始めた‘99か2000年に、シルヴューから「“リベルタンゴ”を送ってください」というメールが来てからのお付き合い。

他のピアソラ作品のトリオ版も送ったり、彼らの為の編曲注文を引き受けたり、ときどきコンタクトがあったのが、3年前に《テアトロ・マッシモ》が来日した時に初めて東京で会って、その後、一昨年私がシチリア旅行をした時に、パレルモで会いました。《テアトロ・マッシモ》で“アンナ・ボレーナ”を見せてもらって、翌日、観光につきあってくれて、夕方からは彼ら《トリオ・シチリアーノ》のリハーサルを見せてもらいました。

その時にもやっていたピアソラ作品ばかりのCDが出来上がって、送ってくれたのです。

シルヴュー、ピアニストのファビオ、チェロのジョルジオ、3人とも優れた演奏家で、演奏は素晴らしいです。CDを聞きながら、ファビオのお母さん所有だというスタジオで、シルヴューとファビオが「あーでもない、こーでもない」「じゃあ、こーやってみようか?」とアイデアを出しては試みる、熱のこもったあの日の情景を思い出しました。

彼らが、私が音符にした楽譜に対して、物凄い情熱を持って取り組んでいる姿に『至福の時』を覚えました。壁にフランツ・リストの肖像が掛けられていて、ファビオはどうやらリスト好きなんだな、それでこんな風に弾きまくりたいのかな・・と思ったものですが、CDにもその時に弾いていたように、私が作った“アディオス・ノニーノ”のカデンツァにグリッサンドやアルペジオが何箇所か足されています。

どの曲も彼らの味付けで調理されていて、彼らの思い入れの深さが分かり、面白いです。「自分はアドリブしたり、イクミみたいに編曲したりは出来ないけど、演奏でクリエイトできると思っているんだ。でも少しずつ、編曲もやるんだ」ルックスだけでなく、キャラクターもチャーミングなシルヴュー。

浅草を案内した時に、「イクミ、イタリアから来るとねえ、どこもたいていスゴいと思わないんだよ」と言われて、「失敗した!そうだったなあ。知っていたのに忘れていた」と思ったことは忘れません。リベンジに、せいぜい富士山や京都などの写真がついているカレンダーでも送ろうかな。

春の海

2010-01-05 21:46:32 | Weblog
ミ、シレミラシラミ~。ミ、シレミラシレミ~。

本来なら宮城道雄作曲の《春の海》をBGMに…というところですが、実際には「ひかるーうみ、ひーかるおおぞら、ひーいかーるーだいーち」(ご存知、8マン。知らないって?)と口ずさんでいました。

国道134号線。湘南の七里ケ浜海岸です。

ふだんのお正月はたいてい『ひねもす、のたり、のたりかな』波静かなのですが、昨日は風が強くて、このあたりにしては白波が立っていました。でも、神奈川、東京、千葉以外の皆さまゴメンナサイの良い天気でした。

そう、昨日は恒例の鎌倉、鶴岡八幡宮への初詣をして、小町通で遊び、湘南海岸ドライブをしたのです。

1月5日に八幡様に行ったのは初めてでしたが、“除魔神事”の弓道をやっていました。八幡宮のホームページによると「二組の射手が交互に矢を放ちます。的中すると大勢の拝観者から拍手が沸き起こります」とありますが、5本くらい観ていた中で一度的に当たったみたいだったのに、誰も拍手しなかったなあ。日本人は反応が悪いなあ、と思いました。

5日でもけっこう参拝者が多くて、赤いロングコートの制服の警備員たちが絶えず「止まらず、お進みください。ご協力のほどお願い致します」と言っているのですが、「止まらなければお財布からお賽銭を取り出せないし、写真のひとつも撮らなきゃ来た証拠が残らないし…」とブツブツ文句を言いながらの参拝です。

“信仰”については、言いたい事はあれこれありますが、新年にあたり、自分が知り得る全世界が平和で、自分が知り得る全ての人が幸福でいられるよう、世界の真ん中に向かって定期的に祈る機会、と考えて初詣しています。

参拝を済ませると、色々試食させてくれるお店で豆菓子を買ったり、骨董品屋さんでスリッパを買ったり、輸入用品を物色したり、小町通のにぎわいを楽しんでから駐車場に戻り、海に抜けてドライブ。江ノ島水族館の前の、夏に花火を見に行くあたりから中に入り、藤沢を通って帰りました。恒例の行動+α、これも“信仰”のうちでしょうね。

とにかくお天気の良いお正月でした。

豪雪地帯の皆さん、ゴメンナサイ

謹賀新年2010

2010-01-05 00:30:52 | Weblog
年賀状ができました。

皆さま、改めまして、明けましておめでとうございます

今年のデザインは、《タイガー・ラグ》の演奏をするトラちゃんです。

“Where*s that Tiger” ガオ~ッ!

…で、左ヒジをぐしゃっと、クラッシュ音を出します。(素手だと痛いです)
ジェリーロール・モートンの研究家、ボブ・グリーン氏のコピーをしました。まさに今年の曲!

とにかく平和で、活気に満ちた、良い年になって貰いたいですね。
個人的には、もっと自分を磨きたいです。

皆さま、今年もどうぞ宜しくお願い致します。

恒例・箱根駅伝観戦

2010-01-03 16:37:36 | Weblog
今日、1月3日は、大学箱根駅伝の復路の日です。

国道1号線に近く、しかも戸塚中継所まで徒歩15分弱なので、往路か復路を生で観るのがお正月の恒例行事となっています。行くと「ああ、今年も元気に生で観戦できた」と安心する、一種の初詣のようなものです。

今年は、泊まりに来ている姪(ひっつき虫)と両親と4人で、お節を中断して出かけました。

毎年、どこで観るかが問題なのですが、今年は警察の交差点ではなく、たすきをリレーするシーンが観られる、まさに中継所の近くまで行きました。

裏道を通って行くと、これから長い距離を走る選手たちがウォーミングアップをしているのが見られます。みんなとてもカッコイイです。

去年はワンセグ付きの父の携帯が充電が足りなくて役に立たなくて非難を浴びたので、今年は昨日ちゃんと充電しておいたそうです。ワンセグの4chを見ながら40分くらい待つと、1位の東洋大学がやって来ました。まさにタスキを渡す直前の写真が撮れたんですが、イマイチ何をやっているのか分かり難いので、何番目か後の学校の写真の方をアップします。

黄色い上っ張りの日テレのカメラマンや音声係などのスタッフ、白地に『箱根駅伝』のロゴの入ったロングコートを来た整理員、白バイの交替要員、観衆が危険な所に上ったりしていないか絶えず見張っている警察官。それに次を走る選手にスピーカーで到着が近い事を告げる係り等、TVにはあまり映らない色んなウラ方がいる中でタスキが次々と渡されて行きます。

選手たちのスピードは驚くほど速くて、本当にあっという間に行ってしまいます。「ガンバレー、それ行けー!」と声援を送る殆どの観衆は、勝負の勝ち負けより、母校の名誉の為に駆け抜ける清々しいその場に立ち会う事を楽しみとしています。

「ああ、今年も観られて良かったね」最後の学校がリレーをし終えると、観衆は自然解散。三々五々帰ります。

ウチは帰り道に、地元の氏神様の神社になんとなく寄るのですが、お金を殆ど持っていないので、わずかなお賽銭で勘弁して頂いています。お札代もお払いしないで、輪くぐりだけさせて頂いて、満足して帰りました。

無限ソーダ

2010-01-02 22:20:30 | Weblog
ぷしゅっ! ぷらぷらぷらぷら、シュワシュワシュワシュワ・・・・。

《無限ソーダ》

ドリンク缶のプルタップがプラスチックで出来ていて、つまみ上げると、ソーダ缶を開けた瞬間を想像させる音がします。

泊まりに来ている姪が「どーしても欲しい」と言うので、「なんでこんなモン?」と思いながらも買わされました。

でもね、『ぷしゅっ! ぷらぷらぷらぷら、シュワシュワシュワシュワ・・・・。』やってみると、思わず笑っちゃうんだなー、これが。そして、何故か楽しい気持ちがこみ上げて来ちゃうんだなー、これが。

清涼感のあるソーダの泡を思い浮かべるのと、こんなモノを発明した人、販売してる人、欲しがった人、買った人のことを思って、笑いたくなっちゃうんだなー、きっと。

可愛いひっつき虫に、やられました。

お節 2010

2010-01-01 18:21:11 | Weblog
もちろん、一人前ではなく、三人分。弟一家と六人テーブルの半分の写真です。

それでも、これにお雑煮が加わって、相当な量になります。

毎年、どういう順番で食べたら全部平らげられるか、考えながら食べるのですが、コツとしては、お煮しめを残さない事。様々なお口取りを頂く合い間に、終わらせておく事です。

ホントはね、この飽食の季節、太らずにどう乗り切るか、対策を考えよう、強い意志を持とうと、昨日思ったのにね・・。いざ、家族全員で「新年のお祝いを」という段になると、毎年の『お皿平らげ方』ノウハウの回路が開通して、気がつくと一生懸命ひょいぱく、ひょいぱく、やっていました。あ~あ、意思薄弱。

一月一日の富士山

2010-01-01 18:07:01 | Weblog
新年、明けましておめでとうございまする!

横浜地方(殆ど湘南エリア)お天気が良くて、快晴の元日。

天晴、ウチの唯一の自慢の出窓の富士も、白雪をニコニコと輝かせて新年を祝っております。

皆さま、本年もどうぞ宜しくお願い奉りまするー。