JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ニキ・ド・サンファル展~解放された女神たち~」

2006-05-16 | 展覧会・博覧会

女性である事の不自由さ、男性支配の社会に苦悩し、アートを通して衝動、再生、精神の解放への道(サンファルの女の一生)をたどる事のできる展示構成です。

ニキ・ド・サンファルを知ったのは「美しい獣(ひと)」(1995)というドキュメンタリー映画。前衛パフォーマンス「射撃絵画」に関心を持ったので観に行きたかったのですが、結局観なかった。

女性である事の不自由さに苦悩していた彼女には失礼で怒られるかもしれないが、若かりし頃の美貌でモデルとなりファッション誌の表紙まで飾ったアーティスト。「美貌」のアーティストという所が私的には大きなポイント。

ニキ・ド・サンファルと言えば、大胆で豊満なフォルムと鮮やかな色彩で有名な各種「ナナ像」とそれに繋がるオブジェの制作で、彼女の作品は街中でも見かける事ができます。

今回は「ナナ」制作以前と以後で作風がガラリと変わっていく所が見所。

個人的には知識の少なかった「射撃絵画」の前衛的な作品に目を奪われました。
「赤い魔女」「モンスターのハート」と言った作品。
作品に使われたのは石膏の他「さまざまなオブジェ」とあります。
要は立体コラージュなのですが、このオブジェは所謂おもちゃ。ゾウの置物。飛行機のおもちゃ。そして魔女の右腕に蛆虫の如くたかっているのは「ガシャポン」を回すと出てきそうな小さなフィギュアたち。それらを巧みに使ってなんとも心に迫る衝撃的なオブジェになっていました。

その後に出てくる「ナナ」を初めとする一連の解放感を伴う作品との対比は見ごたえあり。

この明るい作品群は青空の下で最も映えると思っていましたが、照明による演出もまた別の魅力がありますね。

彼女の生涯と作品世界を追うビデオ上映があり、ライフルを構える美貌のサンファルと、年老いて年輪をきざんだサンファル(もちろん、こちらも美貌の婆さんだ)の顔が印象的でした。

 タロットガーデンに行くのは難しいかもしれませんが、那須に行ってみたくなりました。

やはり「美しい獣(ひと)」が観たい。自伝映画「ダディ」というのもあるらしい。どこかで同時上映しないかな?

 

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『ニキ・ド・サンファル展~解放された女神たち~』
大丸ミュージアム東京にて
5月22日(月)まで


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ナナはもちろん好きだけど、 (アイリス)
2006-05-16 12:22:55
こんにちは、初めまして。

TBありがとうございました。



今回、改めて「赤い魔女」「モンスターのハート」に強く惹きつけられました。

ここから「ナナ」へのブッ飛びぶりは何なのだろう?

対比してみると本当に興味深いですね。



那須の美術館は素敵な所です。

美術館までのアプローチがとっても和風!

中に入ると、あのナナでしょ。こっちの対比も面白いですよ。

TB返させていただきます。
返信する
はじめまして! (ミッチェル)
2006-05-16 12:56:00
初めまして。

TBありがとうございます!



今回の展覧会で初めて拝見させていただいたのですが、

「ナナ」のシリーズがとても気に入りました☆

あの何とも言えない柔かなフォルムがスキです。



那須の美術館へも行ってみたくなりました☆
返信する
初めまして! (みぽなび)
2006-05-20 18:02:16
初めまして。

TBありがとうございました!



はじめてニキの作品を見たのですが、

ニキの心の中の世界が作品となって溢れ出したという印象を受けました。

パワーを感じますね~。

私も那須の美術館に行ってみたくなりました(^^)
返信する
コメント感謝 (imapon)
2006-05-21 00:05:40
アイリスさん、ありがとう。

和風のアプローチですか。

ますます行ってみたくなります。

東京から近いですし。



ミッチェルさん、ありがとう。

「ナナ」の豊満さ、いいですよね。

「ナナ」のバルーン欲しかったのですが

ちと、高い・・・



みぽなびさん、ありがとう。

展覧会は久し振りでしたが、今回はとても

作家の心の中の世界を感じやすかったように思います。

ニキだからなのでしょうか?





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