JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「オース!バタヤン」

2013-06-06 | 映画(DVD)
「オース!バタヤン」2013年 アルタミラピクチャーズ 監督:田村孟太雲

第2次世界大戦前から活躍する現役歌手、バタヤンこと田端義夫の人生に迫った音楽ドキュメンタリー。彼が第二の故郷と呼ぶ大阪の鶴橋にて2006年に行ったライブ映像を中心に、一人の歌手の姿を通して日本の戦中戦後、そして高度経済成長を遂げながらもなお人々が貧しかった時代を振り返る。バタヤンを愛する立川談志や千昌夫らが彼の魅力について力説。伝説の男の劇的な生きざまに勇気をもらう。

残念な事にこの上映が図らずも追悼上映となってしまった田端義夫せんせい。

昔見たナツメロ番組での田端義夫、ギターを持つ位置の異常な高さに、タダモノでは無い感を強く感じた。以降は談志家元による賞賛で刷り込まれていったバタヤンのカッコ良さ。

戦前戦中戦後の日本を駆け抜けた人気歌手の老いてなお盛んな姿を捉えドキュメント映画に納めようと企画し、上映公開したスタッフに拍手。

バタヤンといえば談志家元。しかし、いきなりオープニングとは思わなかった。



白木みのる先生のしみも凄いが。

鶴橋の小学校に集まっってきた聴衆。コンサートの開幕を待つ様子。もちろん年齢層はかなり高い。それでも大好きな音楽を前にする聴衆の顔を捉えた映像はまったくウッドストックやギミー・シェルターのオルタモント・コンサートと同様の空気感(BGMの効果もあるが)

観客中最年少のキョーコちゃんがカワユイ。

大劇や中座での昔の映像と94歳になった現在(当時)の映像。
私が良く見かけた昭和50年代の映像が多いのが嬉しい。たくましい腕と胸板でオース!とやる中年オヤジがカッコ良い。

田端義夫の話はレコ(小指を立てて)の話が切っても切れない。
「今年19歳の娘が何万人と居る。来年もまた19歳の娘が何万人と居る。だから結婚は焦っちゃいけない、1年でも1日でも遅い方が良い」というだけあって長女さんが若すぎ。孫じゃないんですから。それと長女さん、父親似なんですよ、かなりクール!

やはり私の場合、歌よりギター。昭和22年から大事に大事に自分でメンテナンスして使いこんでるギター。ガムテープで補強されたチューニング機。この拘りが素晴らしい。

酒場でふと耳にした歌をレコーディングしてヒット曲とした物も数多いんだそうな。その感性。

歌のジャンルとしては決して私の守備範囲ではないんですけどね。
小学校体育館の音響でカラオケ大会みたいだし。
ただ、浜村純の名調子と曲の裏話とともに聴くと、流石に良いよね。



個人的に好きだったのは、
「赤とんぼ」「浜千鳥」といった童謡、ナット・キング・コールの「モナリザ」
後援会長がしょうもないと言ってた「バタヤンのツキツキ節」
レコードでの「ズンドコ節」あたり。


蓄音機で 田端義夫「街の伊達男(ズンドコ節)」




骨のうたう 作詞:竹内浩三 作曲:田端義夫

戦死やあわれ
兵隊の死ぬるや あわれ
遠い他国で ひょんと死ぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や
こいびとの眼や
ひょんと消ゆるや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や

この映画は大阪ならではの映画。鶴橋の風景も残してる。
仕事で何度か鶴橋を近鉄の乗り換え駅で使ったけど、乗り換えずにそのままブラブラとブラつきたくなる懐かしい街。子供の頃に行った事があるはず。



談志、上岡竜太郎、山城新吾とのTV番組にゲスト出演したバタヤン。家元が子供のようにはしゃいでいる。
一足先に天国で待ってた家元が、「待ってました」とばかりわがままなリクエストしているんでしょうかね。

田端義夫




訃報 オース! バタヤン 田端義夫さん

テアトル新宿

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