JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「雁の寺」

2008-11-15 | 映画(DVD)
「検証・日本映画(4) 映画作家・川島雄三 笑いに秘められる哀しみとニヒル」より

「雁の寺」1962年 大映 監督:川島雄三

京都の禅寺の老住職と愛人との愛欲と、これを覗き見る不遇な少年僧の異常な心理を描く。直木賞小説の映画化。

これは昔子供のころ東京12チャンネル(現テレビ東京)で見ました。美しい愛人との愛欲やら覗き見るやらの内容に淫靡な期待をしたものの妙に暗いだけで面白くないと感じたものです。アホな子には無理でしたか。

モノクロだからこその陰影の美しさ。古寺の家屋。あくまで白い若尾文子のチラリ。そのうえ実に懲りまくった構図。どうしたってストーリーよりも絵の撮り方に関心が傾く。

サスペンス物としてはラスト狂乱する若尾文子と雁の襖絵のカットの繰り返し、実に秀逸。

乞食村出身の小坊主慈念役の高見国一の不気味な目つきもよろしかった。
殺人動機としてはあんなもので充分。不可解なほうが良いに決まってます。

ついつい寝坊してしまう小坊主慈念。腕を縄で縛られて、朝、読経が聞こえてこなかったら縄を引っ張られ起こされるという寸法。夜中いいことしていると何かの拍子で縄が引っ張られ、「お呼びでしょうか?」・・・ここでもっと笑いがとれれば・・・なんてバカなこと考えながら見る。

桐原里子(若尾文子)の女の儚さ

この映画パート・カラーでした。はて?いつカラーになるのかと見ていると、ラストがいきなり現代(当時)になり・・・
川島雄三、こういうの好きですね。どうしても何か現代に繋げたくなるんでしょうか。こういうラストだからまた賛否分かれて面白いですね。小沢昭一が良いので個人的には納得の賛成。

「貸間あり」との2本立て。対照的で面白かった。どちらも傑作。

坊主はスケベに限る!

池袋 新文芸座

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