JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

映画 「独立愚連隊西へ」

2007-04-12 | 映画(DVD)
「佐藤勝と七人の名匠」岡本喜八篇のもう1本は「独立愚連隊西へ」1960年 東宝
前年の「独立愚連隊」の姉妹編だが、関連性は薄く、完成度はこの2作目の方が上との評判。

岡本喜八作品では何と言っても「殺人狂時代」がマイ・フェヴァリットなんだけれどこのシリーズも是非見てみたかった物。

「肉弾」同様戦争を題材にしているものの、こちらは打って変って陽気な大活劇。
左文字隊は全員戦死したとされながら実は生存していてその処遇に困った軍部は次から次へ危険の多い戦場をたらいまわしにするのだが、不思議と皆死なずに生還してくる。この設定がいいです。
戦時中、沢山の落語家が召集されたが、誰一人として戦死せずに帰ってきてしまった。という嘘の様に出来すぎた話がある。
落語家連と左文字隊では、そのカッコ良さに雲泥の差があるようだが、根底の思想には何やら共通項があるのではないだろうか。

左文字少尉の加山雄三をはじめ戸川軍曹の佐藤允、中国軍隊長のフランキー堺、算盤占い神谷一等兵の堺左千夫、謎の男早川(ホントに謎ですよ)の中谷一郎、スパイの中尉、中丸忠雄、何時如何なる時でもインパクトの強い天本英世はゲリラ隊隊長・・・
とにかく、それぞれのキャラクターが魅力満点。

加山雄三と言えば「若大将」シリーズだが、私はまともに見た事がない。中年以降の青年気取り加山雄三が苦手なもので偏見食わず嫌いです。
ここでは初主演だそうだが、いいじゃないですか、部下から慕われる若き隊長。爽やかで屈託がなく明るくめちゃ、カッコ良い。若大将シリーズのようにフワフワと歌いださない所が尚良い。見直しました。

とにかく戦争ごっこ映画を作るならこうこなくっちゃ。という王道。

中国軍フランキー堺隊長との出会い(中国女兵の尻を追いかけてのマラソン並走)からの友情、ラストの決着が秀逸。憎い!

佐藤勝音楽の主題歌「独立愚連隊マーチ」「イキな大尉」の軽やかさで痛快度ますますUP!

快楽亭ブラック師匠が言っていました。
『スピルバーグも黒澤明だけじゃなく、岡本喜八作品も見ていれば「プライベート・ライアン」も、もっと面白くなっただろうにね。』
なるほど・・・、ま、プライベート・ライアンも見てませんから解りませんが・・・

やっぱり、榎本喜八と岡本喜八は天才だった!って何のこっちゃ。

岡本喜八作品ベストの座は・・・やっぱり「殺人狂時代」で揺るがないけど、後は「江分利満氏の優雅な生活」を観たいですね。


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