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文鳥舎ことのはライヴ
【ゴーゴリ朗読会二席】
①柳家三三、ゴーゴリを読む! ―『鼻』―
朗読:柳家三三(落語家)
解説:浦 雅春(露文学者・東京大学教授)
2008年2月9日(土)
三鷹 文鳥舎
先月末、注目の光文社新訳文庫でゴーゴリを買って読んでいた。ゴーゴリを落語調に訳している。たまには落語をと思って久し振りに東京かわら版を見ていたらこの会を見つけちゃった。なんたる偶然!当然即予約。
今日の三三くんは着物でなく、黒のスリムな上下で決めている。
とてもカッコ良い青年なのです。
狭い客席通路を通ってステージで一礼、おもむろに上着を脱ぎロシア風の簡単な衣装に着替える。(コサックダンスの小ギャグあり)
無言のまま白い壁にかなを一字づつ書いた紙片をセロテープで貼り付けていく。
これが言葉遊びになっていて・・・
「は」「な」「し」「か」「は」「な」「を」「よ」「む」
・・・・・・
落語調の訳というだけで落語ではなく登場人物の口調や地口の部分が落語調になっているのだが自分で黙読していても調子が良く快かった。そこへ持ってきて本職が良い声で音読するのだから話が何倍もおもしろくなる。
訳者の浦氏も「朗読があれだけ素晴らしいと自分の訳も素晴らしい物に感じられて嬉しい」なんて賞賛していました。
「あたま山」「粗忽長屋」同様、何ともシュールというかナンセンスな話なんだけど、落語調だけでなく本当に落語にしてみても面白いものになるんじゃないか。志らくのように時代を江戸に持ってきても充分行けそう。
前ふりは「無精床」。「鼻ほしい」や「おかふい」ではちとストレートすぎるか。
それにしても三三くん、この朗読はどのくらい練習したのかと感心してしまう。
そりゃ、噛む場面もあったけど60ページを超えるロシアもの。名前だって難物だ。
朗読会の鑑賞が初体験だっただけに落語を流暢にしゃべる噺家さんを初めて見た人のように感心してしまった。あらためてプロの噺家の基本的魅力に触れたよう。
終演後表に出ると雪。
やはり一押しの若手落語家。今後も落語の方も見ていかなくちゃいけないな。
最近は人気で、独演になると前売り予約が必要になってきて面倒なんだけどなぁ、などと考えながら帰る。
さて、冒頭の言葉遊びは紙片を並び替えると以下のようになりました。
「よ」「を」「は」「か」「な」「む」「は」「な」「し」
もう一つ
「は」「な」「し」「か」「む」「な」「よ」・・・「は」が余り発声。
座布団2枚!
ゴーゴリ、ただいま戯曲「査察官」第2幕に差し掛かっております。
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