JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「チェンジリング」 Blu-ray

2013-11-26 | 映画(DVD)
「チェンジリング」2008年 米 監督:クリント・イーストウッド

1928年のロサンゼルス。シングルマザーで、電話会社に勤務するクリスティンの息子、ウォルターが姿を消す。クリスティンは警察に捜査を依頼し、その5ヵ月後、警察からウォルターを保護したと朗報が入った。喜ぶクリスティンだったが、再会した息子は全くの別人だった。警察にそのことを主張すると、彼女は「精神異常者」として精神病院に収容されてしまう。

今や映画監督としてすっかり大御所となったクリント・イーストウッド。彼の監督作をまだ1本も観てないので、というか今後も果たして見るかどうか解らないわけだけれども(毛嫌いしているんじゃんくて、そこまで手が回らないだけです)まず1本見るなら本作と思っていました。

シングル・マザー、クリスティン・コリンズ(アンジョリーナ・ジョリー)を襲う不条理展開なんだけれども、これが実話をもとに映画化されたんだというから、エグい。

なかなか不条理好きとしては引きこまれるわけで・・・
誘拐された息子を迎えに行くと、まったくの別人なんだけれども、警察に「気が動転しているんだ」とか「取りあえず連れて帰って落ち着けば・・・」などと言いくるめられ、親子対面の記念撮影にまで治まっちゃうコリンズ夫人。粗忽長屋かよ!



警察側の面々がまるっき腐り果てていて自分達の保身しか考えていない嫌な奴として描かれる一方、コリンズ夫人は警察を告発するとかそういうスタンスではなくて、終始根底に流れているのは息子を探しだしたいという一念なのが良いのですね。
粗忽長屋の熊さんみたいにぼんやりしていましたが、精神病院である娼婦と知り合ったあたりからどんどん逞しくなっていきます。
なんやかやと力になってくれる牧師のジョン・マルコビッチがかなり胡散臭い偽善的な奴で、コリンズ夫人の息子の捜索よりも警察の腐敗を暴く事のみにご執心のようです。それでも正義として力は発揮していましたが。

アンジョリーナ・ジョリーという女優さんは美人で魅力的と思っていましたが、ここでは美貌は二の次で鼻を赤くはらしての泣きの演技が圧巻でございます。



さて、ゴードン・ノースコットの猟奇殺人事件も登場するのですが、こちらは猟奇事件に焦点を当てる作品では無いので仕方が無いわけですが、やや物足りなさを感じます。ジェイソン・バトラー・ハーナーがなかなかよいキャラ作りをしていただけに、ね。
裁判、面会、死刑執行とそれぞれに見所ありでした。






本当の話と映画の演出の境目がどこにあるのかは知りませんが、ゴードン・ノースコットの被害者の一少年の帰還は映画脚本としては絶妙な味付けでしょう。泣かせてくれます。

結局、背が7cm低い偽物ウォルター、「ロサンゼルスに来ればトム・ミックスに会えるかも」っていう動機がマヌケでコリンズ夫人を襲う不条理感に拍車をかけてましたな。









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