「ロボゲイシャ」

戦略的国辱映画、井口昇の痛快娯楽活劇炸裂！

「ロボゲイシャ」2009年　角川映画　監督：井口昇

地味な少女ヨシエ（木口亜矢）は、芸者で美ぼうの姉の菊奴（長谷部瞳）の付き人として、毎日置屋でこき使われていた。ある日、お座敷にやって来た影野製鉄の御曹司であるヒカル（斎藤工）は、ヨシエが潜在的に驚くべき戦闘能力を持っていることを発見する。姉妹はヒカルの招待を受けて会社に出向くが、そこでいきなり拉致されてしまい……。

片腕マシンガールの井口監督がまたやってくれました。
おバカ映画界の中にあってこの人の力量は格が違うといった感じ。
しかも今回、ミズキ隊員・長谷部瞳が姉の売れっ子芸者役。これが確信犯的に下品で美しくないんだよなぁ。

まずロボゲイシャ、ヨシエが「つい数日前まで何者でもなかった私」と回顧シーンに入るまでのファーストシーンがもう非の打ち所の無い完璧さなんです。
松尾スズキのリアクション！
ヨシエのロボットとしての異形ぶり！
天軍（泉カイ、亜沙美）のセクシーなアクション！

あまりにも完璧すぎたせいかその後の回想、ヨシエがいかにしてロボゲイシャになったか、改造がエスカレートしていく過程の描き方に物足りなさを感じてしまうほどです。
この手の映画ではそのあたりは気にせず楽しめばようようなものだけど、ここまで来ると何かしら井口監督におバカ以上のものを期待してしまうのよね。

「スーパー遺族」に続き、またしても身内を奪われた「家族救出の会」
よくよく考えると家族を救う事はできなかったわけで大悲劇。
デモ田中は「アレ、妹？」と気づきながらも相打ちで果てるし、生田悦子に至っては「悪い人だから殺します」と孫とも知ることなくに天軍の亜沙美を撃ち殺し相果てる。その他ジジババも影野親子の「申し訳ございません」ダダダダダッ攻撃で血祭り。
ヨシエと姉の愛憎と和解なども涙ありの感動シーンもあるけど、次から次への笑撃で涙も吹っ飛んでしまう所が良いのだな。

「ギリギリデートに使える」という触れ込みの通りスプラッタは抑え目なので勇気を持って女の子を誘ってみるのもいいでしょう。但し、城型ロボットによるビルの大殺戮シーンでの血しぶきが激しいので要注意。これ史上最強のスプラッタです。

西村映造も冴え渡ります。
今回のお気に入りは目が逝ってしまってる「ゲイシャ・チェーンソー」



殺陣では「嫌～ん、恥ずかしいわ」と闘う「尻刀」の対決。

竹中直人、確かに「皆様方、今にみておれでございますよ」って台詞言ってたな。田中登も草場の影で大喜びだ。

もう1回観ても良い作品なんですが・・・
どうせなら泉カイのポールダンスを生で見たいわけです。でも、こちらはスケジュールが合わないので一応これっきりにしておこうと思います。

渋谷　シアターＮ

泉カイ・ポールダンス