JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」

2011-01-19 | 映画(DVD)
「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」2008年 米 監督:佐々木芽生

ニューヨークで少しずつ現代アートをコレクションしてきたおしどり夫婦の足跡をたどる感動のドキュメンタリー。ごく普通のカップルが、少ない生活費の中からやりくりして集めた膨大な数の作品群と共に、彼らとアーティストたちとの心温まる交流を描く。物語の主人公は、元郵便局員のハーブとその妻で元司書のドロシー夫妻。長年自分たちが好きなものだけを収集し、4000点以上の作品を美術館に寄贈した彼らの選択に驚嘆する。

ハーブ&ドロシー夫婦は、ニューヨークの現代アート界きっての有名コレクター。彼らは30年以上にわたり日々ギャラリーやアーティストらを訪ね歩き、少しずつお気に入りの作品を買い集めてきた。今では20世紀を代表するアーティストに成長した画家による名作も数多くあったが、彼らの1LDKのアパートはすでに収納の限界を超えており……。

彼らが好きで集めてきた物が現代アート会にとって貴重な資料となったのは誠に目出度い事であります。ここで驚くべきは、この偉業は夫婦の二人三脚で長年行われてきた事じゃないでしょうか。
これがハーブ・ヴォーゲルという小柄な爺ぃが1人でコツコツ集めていたというのなら、「ああ、そうですか」ってなモノ。

コレクターの道を突き進むって言うのは、周囲の理解者が必要。または、理解者がない場合は周囲に迷惑を掛け捲って自分好きな事だけに没頭する孤高の存在として生きるか、だ。

ハーブを見る限り何のかんの言ってもコレクションという一種の病気に罹っている事は間違いない。
万一、違う伴侶であったら、これは悲惨な人生だったかもしれません。



この老夫婦を見て、マンガ家のやくみつる夫妻や、ちょっと違うけど林家ペー・パーさんを思い出します。いづれにしても稀有な夫婦。
得てして、女性(主婦)というのはこの手の収集には理解がないもの。
この夫婦を見て羨ましく思うお父さん方も多いかも。
でも、羨ましがっても仕方ない。この夫婦と世のお父さん方の何が違うのか。
ラストのPCショップへ買い物に行く2人の様子を見て、自分の胸に手を当てて考えれば答は出てきそうです。
映画の方は彼らの文化的貢献や審美眼、コレクターとして姿勢、人間性に迫っていますが、夫婦愛の側面が最も印象に残ります。
インタビュー中にも惚気る夫人が可愛い。

二人がコレクションするルールは「自分たちの収入で買える値段であること」、「小さなアパートに収まるサイズであること」
それにしてもナショナルギャラリーが引き取る際に1LDKのアパートから引越し用大型トラック5台というのは驚くというかあきれ返る。

飾るスペースは当然無く、「持っている事に意味がある」という言葉は大いに賛同したいのだけれど・・・

国立美術館に寄贈して、たまに自分たちのコレクションを鑑賞に行く。
やっぱり、1LDKに積み上げておくより絶対に良いでしょう。セキュリティー面から言っても。

さて、私事ですが、この夫妻のコレクションに比べればゴミ同然ではありますが、書籍、フィギュア、スクラップ資料、落語カセットテープ等々、今回の引っ越しに伴い「荷物を減らせ、廃却せよ!」と迫られ続けております。「落語テープなんか10数年間で一度も聴いたのを見たことないじゃないの」と来ます。
部屋にはまだスペースがあるじゃないの。収納させてくれとダンボール1個、2個の攻防が今日も続くのでありました。

渋谷 シアター・イメージフォーラム

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