数字を使った成語は非常にたくさんある。数字の使い方に何か法則性はないか、と考えてみたが、長い歴史を経てできたものだけに、一概には言えそうもない。しかし、数字の元々持っている意味が関係しているように思われ、数字から成語の成り立ちを追ってみたいと思う。
七は中国人にとって、大切な数字であるようで、七を使った言葉は数多くある。先ず、七の意味から見てみたい。
【中国の伝統的宇宙観で創世と“七”の関係】
据《庄子•応帝王》:“南海之帝為倏,北海之帝為忽,中央之帝為渾沌。倏与忽時相与遇于渾沌之地,渾沌待之甚善,倏与忽謀報渾沌之。曰:‘人皆有七竅,以視聴食息,此独無有,嘗試鑿之。’日鑿一竅,七日而渾沌死。”由此可見,倏与忽産生之前,宇宙原是渾沌的世界。,“日鑿一竅”, 鑿完七竅而人類有了“視聴食息”時,也就是有了宇宙,于是“渾沌”死了。
[訳]《庄子・帝王に応ず》によれば、“南海の帝は倏、北海の帝は忽、中央の帝は渾沌(混沌)であった。倏と忽はある時いっしょに渾沌の地に招かれ、渾沌の対応がたいへんよかったので、倏と忽は渾沌の徳に報いようと思い、言った。「人は皆、七つの穴があり、見、聞き、食べ、息をしており、ひとりとしてそれが無い者はありません。穴をあけて試してみましょう。」一日に一つ穴をあけたところ、七日目に渾沌が死んだ。”ここから、倏と忽が生まれる前は、宇宙は渾沌の世界であり、「一日に一つ穴をあけ」、七つの穴をあけ人類が「見、聞き、食べ、息をする」ようになった時、宇宙ができ、「渾沌」が死んだ。
【七を含む集合名詞】
七と創世は関係があるので、中国人は七を尊び、七を使って同時代の才気溢れ気骨のある文人、知識層を総括した。
[例]
●建安七子(孔融、陳琳、王粲、徐干、阮瑀、応瑒、刘)
→建安年間(196~220年)の七名の文学家の総称。
●明前七子(李梦阳、何景明、徐禎卿、辺貢、康海、王九思、王廷相)
→明代弘治、正徳年間(1488~1521)の文学流派。後の嘉靖年間に現れた李攀龍、王世貞等七子と区別するため、「前七子」という
●嘉靖七子(李攀龍、王世貞、謝榛、宗臣、梁有誉、徐中行、呉国倫)
→明代嘉靖、隆慶年間(1522~1566)の文学流派。「前七子」に対し、「后七子」ともいう
また、七で総括する集合名詞がある。
[例]
●七情(喜、怒、憂、思、悲、恐、驚)
●七音(宮、商、角、徴、羽、変宮、変徴)
中国の古代音階は五音と呼ばれ、宮、商、角、徴、羽の五つの音である。これは
中国式の音楽簡譜では1、2、3、5、6に相当する。これに変徴(4)、変宮(7)を加
えた七音、或いは七声が西欧音階に相当する。
●七色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)
●七経(“六経”に《論語》を加える)
【七と八の組合せ】
七と八の組合せはよく見られる。このふたつの数字は先ず「多い」という意味を表す。
[例]七手八脚、七拼八凑、七通八達
ここから派生して、「程度が甚だしい」、「秩序が乱れる」意味を表す。
[例]七零八落、乱七八糟、七顛八倒、七嘴八舌、七葷八素
【七を含む成語】
●一子出家,七祖升天
一人が権力を握ると、一族の者皆がその恩恵を被ることができる。
●七手八脚
だれもかれもが一度に手を出す
●乱七八糟、乌七八糟、污七八糟
めちゃくちゃに混乱している
●五労七傷
いろいろな病気。虚弱多病
●五侯七貴
高位高官
●三毛七孔
考え。知恵
《史記・扁鵲倉公列伝》唐・張守節正義:“心重十二両,中有七孔,三毛,盛精汁三
合,主蔵神。”
心は十二両の重さがあり、中に孔(穴)が七つ、毛が三本、精汁が三合入ってり、
主に精神を蔵する
●三江七澤
中国の主な河川、湖沼
●人生七十古来稀
・ 稀:稀少。
七十まで長生きする人は昔から多くなかった→長生きは難しい
●七擒七縦
策略を用いて相手を心服させること
[出典]三国時代、諸葛亮は南方に出兵し、酋長の孟獲を七度生捕りにし、七度釈
して放ち、遂には孟獲を心服させたという故事から。
●七縦八横
自由奔放である
●七子八婿
唐・郭子儀には八人の子供(男子)、婿七人がおり,皆朝廷で高官に任用された
《旧唐書•郭子儀伝》。このことから後に“七子八婿“は子や婿が多くいる意味に用
いられるようになった。
●七支八搭
①とりとめのないことを言う
②まとまりのないこと
●七貞九烈
婦女の貞節心が強く、死んでも身を委ねないこと
●七言八語
人が多く、様々な意見が出ること
●七相五公
[出典]《文選・班固〈西都賦〉》:“冠盖如云,七相五公。”
呂向注:七相:車千秋、黄霸、王商、王嘉、韋賢、平当、魏相を言う。
五公:張湯、蕭望之、馮奉世、史丹、張安世を言う。
公侯、御史大夫、将軍を通称して公と言う。
挙げたのは皆、漢代の公卿であり、後に多くの文武大臣を指すようなった
●七窩八代
罵り言葉。 全ての眷属家族を指す
●七湾八拐 、七湾八扭
①曲がりくねって、絶えず方向が変わること
②行動が単刀直入でないこと
●七損八益
中国古代の閨房での養生の概念。七損とは、性生活で人体の健康と長寿を損なう
事をいう。八益は、人体の健康と長寿に有益な方法をいう。
男子は八歳で腎の気が盛んになり始め、四八(32歳)に最高になる。これを男子の
四益という。女子は七歳で腎の気が盛んになり始め、四七(28歳)に最高になる。
これを女子の四益という。合わせて八益となる。男子の腎気は五八(40歳)で衰え
始め、八八(64歳)で尽きる。これを男子の四損という。女子は五七(35歳)で衰え
始め、七七(49歳)で尽きる。これを女子の三損という。合わせて七損となる。
●七嘴八舌
多くの人が方々から口を出す。口々に言う
●七零八落
散り散りばらばらである。・特に元々たくさんあって整っていたものが、現在では散
り散りばらばらになってしまったことをいう
●七竅生煙
・七竅:口と両眼、両耳、両方の鼻の穴。
怒ると、耳眼口鼻から火が出るかのようになる。怒りが頂点に達することをいう。
●七十二変
孫悟空の七十二相の変身術。変幻自在
●七十二行工
工・農・商など、あらゆる業種の総称
●七零八砕、零七八砕
こまごまとしている。ばらばらで系統だっていないこと、或いはたいして役に立たな
いもの
●不管三七二十一
委細かまわず。一切を顧みず
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