中国語学習者のブログ

これって中国語でどう言うの?様々な中国語表現を紹介します。読者の皆さんと一緒に勉強しましょう。

司空見慣 (見慣れてしまうと、少しも珍しくない)

2009年06月19日 | 中国語成語
6月18日人民網の記事
李連杰入新加坡籍并購千万房産带来的思考

李連杰(ジェット・リー)がシンガポール国籍を取得。びっくりしました。李連杰といえば、北京体育学院で武術を学び、映画《少林寺》に主演。最近は、ジェット・リーという名でハリウッド進出していましたが、シンガポール国籍を取得するとは。
しかし、この記事を見てみると、中国人の映画スターが外国籍を取得するのは、決して珍しいことではないそうです。そこで;

● 司空見慣
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【訳】見慣れてしまうと、少しも珍しくない

事実上,娯楽圈内,明星改国籍早已司空見慣形同家常便飯,別看蛍幕舞台上一個個大腕們長得“眼睛頭髪黄皮膚”,可推料想“多年前寧静的一個夜他们全家人到了紐約”。若有人一時間要我把改籍的文体明星的名字一筆一劃写下来,恐怕還真会写得手発軟抽筋,甭責難我有了電脳后就不会用筆,只怪“北京人在紐約”或遷入星島的“星星”太多,数不過来,也写不過来。

【訳】事実上、芸能界で、スターが国籍を変えることはとっくに珍しくなくなっており、銀幕の舞台の上の一人一人がたとえ「黒い瞳、黒い髪、黄色い皮膚」であっても、「何年か前のある静かな晩、彼らは皆ニューヨークへ行ってしまった」と推察できる(これは《龍的伝人》の歌詞です)。もし誰かが国籍を変えたスターの名前を一画一字書き出してみたら、おそらく手が疲れて痙攣を起こすだろう。パソコンがあったらペンを使わずにすんだのになどと責めないでほしい。ただ不思議に「北京の人がニューヨークに行く」、或いはシンガポールに行く「スター」が多くて、数え切れないし、書ききれない。

なぜ珍しくないかというと、李連杰の前に、もうひとり、大女優の巩俐がやはりニューヨークに移住したあと、夫についてシンガポール国籍を取得しているためです。ただ、巩俐は「嫁鶏随鶏嫁狗随狗」であった。

● 嫁鶏随鶏嫁狗随狗

【訳】女性は嫁に行くと、たとえ夫がどんな人物でも、添い遂げなければならない

つまり、巩俐は女であるから、夫についてシンガポールに行くのは仕方がない。しかし、李連杰は、ふたりの娘に中国と西洋式の両方の教育を受けさせたいという理由でシンガポール移住を決意したという理由はあるにせよ、彼の場合、中国武術の高度な演技で観客の喝采を浴び、かつ中華民族の伝統を継承し、中華精神を高揚に貢献してきただけに、「国を裏切った」という謗りを受けることだろう。これはいささか「狗拿耗子多管閑事」であるが。

● 狗拿耗子多管閑事

【訳】犬がネズミを捕まえる。犬は家の番をするのが役目であり、ネズミを捕るのは猫の役目。つまり、余計なお節介、余計な世話を焼くこと。
「狗拿耗子」で「多管閑事」を導く歇后語(かけことば)です。

● 司空見慣

【出典】唐の劉禹錫は、進士に合格後、長安で監察御史に任じられるが、気ままな性格のため謗りを受け、蘇州刺史に左遷された。蘇州で司空(官職名)の李紳が劉禹錫を慕い、宴席に招待した。歌妓を入れてのにぎやかな宴席で、劉禹錫は興に乗り、次の詩を詠んだ。

高髻雲鬢新様粧 春風一曲杜韋娘
司空見慣渾閑事 断尽蘇州刺史腸

【訳】豪華な宴席で歌妓が豊かな黒髪に今様の化粧をして入り、《杜韋娘》という流行の曲を歌った。李司空、あなたはこういう宴席に慣れておられるので何でもないことかもしれないが、私、劉禹錫は腸がちぎれるほどつらく悲しい。
ここから、「司空見慣」ということばが生まれた。

不到黄河心不死 (目的を達するまで決してあきらめない)

2009年06月18日 | 中国語成語
人民網6月5日
諾基亜遭遇有史以来最大渠道信任危机

テーマは、携帯電話。中国は、年間2億台もの携帯電話が販売される、携帯大国。諾基亜(NOKIA)はそのなかで40%のシェアを握っています。
ところが、NOKIAが非正規取次店への商品横流し(竄貨cuan4huo4)の禁止を打ち出したことで、メーカーとこれまで長年NOKIA商品を扱ってきた取次店間で、対立が生じています。

有経銷商向筆者表示,長沙事件還不是終点和高潮,更大的動作正在醞醸之中,更多関于諾基亜的内幕将会一一被爆出来——看来,経銷商是不到黄河心不死了。

ある取次店が筆者に語ったところでは、長沙事件(取次店が長沙に集まり、NOKIAに反旗を翻した)はまだ終局にも最高潮にも達しておらず、更に熟成中であり、もっと多くのNOKIAの内幕がやがて明るみに出るだろうと。見るところ、取次店は目的を達するまで、決してあきらめないだろう。

不到黄河心不死
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【訳】目的を達するまでは、決してあきらめない

「不到黄河心不死」直訳すれば、黄河に至らないうちは、あきらめられない、ということなるが、なぜ「黄河」なのだろうか?
調べてみると、次のことがわかった。

清朝末期の小説《掃迷箒》第五回で、昆山の通人、汪梧凰が蘇州のことわざを説明する時にこう言っている。「弗到黄河心弗死,到了黄河死不及。」

「黄河」は黄河を指すのではなく、「横禍」の「諧音」(音が似ている)である。

「不得横禍心不死」 不慮の災難に遭わない限り、あきらめない。これが、長い年月の間に、「不到黄河心不死」に変化していったという。

【類似語】
不到烏江不死心(不到烏江不尽頭)
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項羽が垓下の戦いで破れ、烏江で自刎した故事からとっている。この場合は、「烏江」は間違いなく地名である。

矢志不渝
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志を変えないことを誓う

出口成章 (文才に優れる)

2009年06月16日 | 中国語成語
出口成章
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言うことがそのまま文章になる。文才が優れていること。口をついて出たことばがそのまま文章になる。
なかなかそうはいきませんが、かくありたいと思います。

【出典】
《詩経・小雅・都人士》 “彼都人士,狐裘黄黄,其容不改,出言成章。”

(訳)かの西周の都の人々は、裏に狐の毛皮のついた長衣で美しく着飾り、立ち居ふるまいは堂々として、礼儀作法に通じ、言ったことがそのまま文章になるかのようであった。

[注釈]東周の人が、かつての周の全盛期の西周の時代をなつかしみ、言ったことば。

【用例】羅貫中《三国演義》第79回
“人皆言子建出口成章,臣未深信。主上可召入,以才試之。”

(訳)人は皆、子建(曹植)が文才に優れていると言いますが、私は必ずしもそうとは思いません。どうか彼をお召しになり、試してみられますように。

[注釈]魏では曹操が亡くなり、曹丕が後を継ぐ。ところが弟の曹植が父の葬儀に来なかったことから、捕らえて都に連れて来られる。上の一節は、相国の華歆のことば。このあとのやりとりで、あの有名な、七歩詩が出てきます。七歩歩く間に詩を作ることができれば、罪一等を減じよう、できなければ重罪に処す、と命じる場面です。そして曹植は次の詩を詠みます。

煮豆持作羹,漉菽以為汁
萁在釜下燃,豆在釜中泣
本自同根生,相煎何太急

豆を煮て羹を作す、菽(豆)を漉して汁と為す
萁(豆がら)は釜の下で燃やされ、豆は釜の花で泣く
本は根を同じく生じたるに、相煎られるに何ぞはなはだ急なる

【類似語】
下筆成章  xia4bi3cheng2zhang1
筆を下ろせば文章になる。

錦心綉口  jin3xin1xiu4kou3
文辞が美しい

【反義語】
語無倫次  yu3wu2lun2ci4
わけの分からないことを言う。言うことが支離滅裂である。

不知所云  bu4zhi1suo3yun2
何を言っているか分からない。話の筋が通らない

刻不容緩 (一刻も猶予できない)

2009年06月15日 | 中国語成語
刻不容緩
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成語
(訳)一刻も猶予できない

景気対策に環境問題。昨今は「刻不容緩」な問題が山積しています。

刻=片刻:ほんの短い時間
容=容許:許す
緩=延緩、耽擱:遅らせる

用例

削減二氧化碳排放量是刻不容緩的問題。

(訳)CO2排出量の削減は、一刻も猶予できない問題である

清·李汝珍《鏡花縁》:“胎前産后以及難産各症,不独刻不容緩,并且両命攸関。”

(訳)妊娠中、産後、及び難産の各症状は、一刻も猶予できないだけでなく、母子双方の命にかかわる。

類似語

迫不及待 po4bu4ji2dai4
(訳)待っていられないほど急ぐ。矢も盾もたまらない

火焼眉毛 huo3shao1mei2mao2  
(訳)焦眉の急。一刻も猶予できない

歇后語(かけことば)

雕花店里失火 Diao1hua1dian4li shi1huo3  

(訳)木工(彫刻)店が火事になる →「刻不容緩」  
「彫刻」と「片刻」をかけている

蹲在地上等褲子 Dun1zai4di4shang deng3ku4zi  

(訳)地面にうずくまってズボンが来るのを待つ →恥ずかしくて「刻不容緩」

自強不息 (強い意志を持ち、世の中を絶えず発展させ続ける)

2009年06月14日 | 中国語成語

前回に続き、昨年、胡錦涛国家主席が来日され、早稲田大学で講演された内容から。

天行健, 君子以自強不息
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(訳)天の運行が力強いように、君子は自ら強い意志を持ち、世の中を絶えず発展させ続けなければならない

●出典:
《易経》 天行健, 君子以自強不息; 地勢坤, 君子以厚載物
Tian1xing2jian4, jun1zi3yi3zi4qiang2bu4xi1 Di4shi4kun1, jun1zi3yi3hou4de2zai4wu4

「天行健, 君子以自強不息」は、易経の乾卦。
「地势勢坤, 君子以厚載物」は、坤卦。
乾は天。坤は地なので、乾卦は天の道理。

坤卦は地の道理を引用して、君子、つまり高徳の人物は如何にあらねばならないか、説いている。

天行健, 君子以自強不息:天の運行が力強いように、君子は自ら強い意志を持ち、世の中を絶えず発展させ続けなければならない

地勢坤, 君子以厚載物:大地が豊かで素直であるように、君子は美徳を厚くし、大きな包容力を持たねばならない

20世紀初頭、梁啓超が清華大学で「君子を論ず」という講演を行った時、清華で学ぶ学生たちに中華民族の美徳の継承を期待し、《易経》の「自強不息」、「厚載物」を引用し、学生たちを激励した。後に、この8文字は、清華大学の校訓となった。

この講演で、胡錦涛さんは、早稲田の学生たちに、自らの母校、清華大学の校訓を引用し、世界の発展や学問の発展に貢献するよう激励するとともに、自らも中国でこの精神を貫き、ブレのない政治を行う決意を示されたのではないかと思う。