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卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

マーケティング研究 他社事例 その258  「これからのカギ」 ~スマートロックの未来~

2018-11-15 08:43:35 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 その258  「これからのカギ」 ~スマートロックの未来~


通信機能を内蔵した鍵をご存知でしょうか?

スマートフォンを玄関に近づけると、内側に設置された鍵が反応し、自動で開錠する機能を備えたのが、「スマートロック」です。

Qrioのスマートロックの仕組みは以下の通りです。

モーターやブルートゥースの通信機能などを内蔵した装置を両面テープでドアに張り付け、装置にスマホのブルートゥースで信号を送るとモーターが動き、鍵のつまみ部分が回って開いたり閉まったりします。

WiFiに接続する別売りの装置を使えば、鍵がインターネットにつながり、誰がいつ開けたのかを記録するだけでなく、リアルタイムで情報を特定のスマホの飛ばしたり、遠隔で開け閉めしたりも出来るのです。

キュリオを創業したのは、今年10月から顧問に就任した西條晋一氏です。

2015年8月の初代「キュリオスマートロック」発売から3年を経て、今年7月には、反応速度が向上し、ポケットに入れたままでも反応する2代目の「キュリオロック」を発売しました。

発表初日に1000台の予約が入り、順調な滑り出しとなったのです。

サイバーエージェントで取締役を務め、10以上の新規事業を立ち上げて来た西條氏がスマートロックに目を付けた起点は自身の不動産投資で所有していた賃貸物件で自らが感じた不便さがあったからでした。

特に、入居者が出ていってから、次の契約者を見つけるまでの期間、家賃収入がとまるその瞬間の部屋の扱いに疑問を持ったと言います。

例えば、何件の候補者が内覧に来たのか、どんな人が来たのか?、何がダメで契約に至らなかったのか?

オーナーが知りたい情報が、管理会社から全然上がってこないという事が日常的でした。

さらに不動産屋の実店舗に行かなければ、部屋の内覧が出来ない日本の賃貸市場の商習慣にも疑問があったと言います。

これらの不便さは、鍵を開け閉めした瞬間にその情報をインターネットで飛ばしたり、特定のスマホに特定の時間だけ有効な開錠の権限を与えたりできるスマートロックで解決できるのはないか?

と西條氏は考えたのです。

早速、2014年初めに、アメリカからスマートロックを取り寄せ、使ってみました。

感想はまず、大きくて重い事、さらに鍵穴をネジで外して設置しなければならず、素人には不可能であるという事でした。

アプリの使い勝手も悪いとくれば、想定したシーンで使える事はわかりましたが、「とても実用的ではない」というのが本音でした。

しかし、それは日本でのビジネスチャンスを意味していたのでしょう。

つまり、個人が自分で設置出来て、小さくて軽量で、アプリの使い勝手が良ければ売れるという事でした。

西條氏は当時、大企業とスタートアップ企業をつなぐベンチャーキャピタルのウイルでソニーを担当し、新規事業を探っていました。

ソニーの暗号化技術を使えば、スマートロックがすぐに事業化できると、そう読んで、2014年の暮れにキュリオを設立したのでした。

(続く)


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