石坂ファームハウスの『都会の田舎をおすそ分け』

多摩丘陵の自然豊かな里山から、その恵みを大切にした農家の暮らしをお伝えします

高校生の修学旅行・視察受入れ

2022年11月18日 | 農業視察
先日は富山県農業系の高校生の修学旅行受入れを行いました。
都市農業についての情報や資料はJA東京中央会のご協力をいただきパワーポイントを制作。その流れで我が家の農業についてのお話をさせていただきました。資料を見ながら「東京の農地は1年間に約100ヘクタールずつ減っています。100ヘクタールは東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた面積と同じです」・・・・ひえー・・・驚きです!私自身も知らず都市農地の危機を訴えていかねばっ!と。
そして、東京の数ある農家の中から我が家に来てくれたのでまず「日野市」という東京都の真ん中あたりに位置する場所であることや雑木林のある里山の風景と農地と田んぼがある農家は少ない事を伝えました。(東京都の耕地面積のうち水田は3.4% 平成27年)実際23区では住宅地に囲まれて農業をしている農家がほとんどかもしれませんが、見ないとわからないよね。
説明の後は我が家の米粉を使って「お団子」作りをしました。小麦粉の代用品として米粉は注目されていますがどちらかと言えばパンやお菓子の洋風加工です。お団子や大福など米粉も和菓子として手作りして多く消費するきっかけになればと。お湯を入れてこねて形成して、茹でて。簡単に出来る事と市販品には無い歯ごたえや香りにも気が付いてもらえたかなと思います。

また彼らの話を聞くと非農家の学生がほとんどという事にびっくりしました。地方は大規模農地が増え農業法人が営農したりするから小さな農家が吸収されてしまうのでしょうか。逆に都市の農家・農地こそ昔ながらの家族経営の小さな農家であり日本の農業の姿なのかもと思いました。都市農家は少ない農地をいかに効率よく耕作して工夫して収益を上げる事を模索しています。また次世代へ残すために税制面でも優遇され「都市農業振興基本法…都市農地は都市にあるべきもの」と位置づけられています。そして消費者に新鮮で安全安心な農作物を供給し環境保全・景観形成・健康増進・防災機能・教育機能・生物多様性保全の機能・レクリエーション機能・農業生産機能があげられます。今や農業がしやすいのは地方でなく都市部なのかもしれません。

少しの時間でしたが高校生たちが大人になった時に思い出してもらえるような場所や出来事・出会いであったなら幸いです。

このところ企業の農業への理解や取り組みの一環として我が家を訪れていただく機会が増えております。私自身農業歴も20年となりました。農家の跡取り娘も父が他界して農地を仕切るようになり多少なり自信や確信をもって発言も出来るようになってきました。父や祖父が静かに願っていたように私も先祖代々の農地を守りたい・次世代へこの環境を引き継ぎたいと思っていますが気持ちだけではどうにもならないことではあります。只今はあまり先の事を考え負担にならないように、自分ができる石坂家がしてきた持続可能な農業をしていきたいと思っております。
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中学生、職場訪問

2020年11月20日 | 農業視察
今年は近隣の中学生たちの職場体験が中止になり、職場訪問という形で農園を案内しました。
介護施設や図書館、郵便局や飲食店などこの機会がなければ体験できない職場が多く子どもたちにとっても残念だと思います。
職場体験の機会が無ければ生涯無縁の職業も沢山あるはずです。中学生は将来の可能性が無限にあるし、その中のちょっとでも自分たちが見た分野が引っかかってくれるのならば職場体験や訪問の意味は大きいです。小学校までは「○○堀り」など農業体験活動が比較的多いのですが、中学生からはグッと無くなるのが現状です。高校生・大学生となるとその分野でないとまず農業体験はやらないようです。成長期と食べ盛りでもあり身近に「食」に興味を持ってもらいたい時期でもあり、また将来家庭を持った時に自分の子どもたちに緑を残したい・自然体験をさせたいと思ってもらえるように自然を身近に感じてもらいたいと思うのですが。自然体験から得るたくましさ、たったの半日でも子どもたちから感じる事も多いです。たくましい子、増えて欲しいな・・・。

中学生たちを見送ってからの帰り道、裏山の紅葉が夕日の照らされてキレイでした。季節外れの暖かさで夕方はカエル、夜は「秋の虫」が鳴いていました。異常気象をもたらす農作物への影響も心配なところです。

22日、収穫体験イベントの詳細は12日のブログに掲載。コロナ感染対策をしながら行います。
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社会科見学

2020年10月21日 | 農業視察
本日は約90名、多摩市の小学5年生の社会科見学の受け入れをしました。例年はバスを利用して工場見学、しかし工場見学の受け入れも中止で「農業体験」のできる我が家が候補に。この学校は私たちが畑にいると校内放送が聞こえる距離の場所にあり、本日も到着予定時間を15分以上も早く来るほどでした。

先に農業についての質問をいただいていたので質問タイム。さすが5年生、日本の農業に興味を持ち積極的です。
「里芋収穫体験と草むしり体験」と「籾摺り・井戸での野菜洗い・古い道具見学・杉の葉にマッチの火つけ」に分かれての活動。里芋堀りは初めての子も多く、カマとシャベルを使って悪戦苦闘。掘る大変さを実感したようですが、里芋が掘り上げられると苦労しただけ喜んでいました。親芋までしっかりお持ち帰りする子も多かったです。

農家としてこれから心身共に成長する未来の若者に対して伝えたいことは沢山あったのですが、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
お米も30キロの米袋に入った状態で見せ、約60年前が一人当たり120㎏の消費だったものが現在は半分以下になったことも袋の大きさや重さで感じもらいたかった。
「パンとご飯どちらを食べようか悩んだら、コメ農家の事を思い浮かべご飯を食べよう!」とか。落ち葉堆肥のこと・多品目栽培・農薬を使用しないまたは控えた農業をする工夫や苦労。里芋の1株を掘る大変さ。草むしりも。いかがでしたか。

難しい勉強も大事ですが、実体験も大事なことです。危ないカマを使うこと、マッチで火を付ける事、畑の草むしりをすること。「除草剤まいちゃえばいいじゃん!」という声も聞こえましたが現場の草を見て感じた発言です。見て、聞いて、触って、においをかいで、空を見上げて(鷹が飛んでカラスを追いかけていましたね)。色々な経験をしてもらえたと思います。

農水省の発行した3冊の冊子「ニッポン食べものの力見つけ隊」「ジュニア農林水産白書」「和食BOOK」、も配布し自宅で読むようにお土産としました。大変勉強になります、興味のある方はご希望の冊子をお渡ししますので声をかけてください。

大人数の対応は母と私だけでは出来ず、本日も6名お手伝いをお願いいたしました。ご協力ありがとうございました!

※24日のイベントは残り1組です。31日は残り6組です。ご参加お待ちしております。サツマイモ・里芋は秋野菜の定番です!お楽しみください。
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昔の暮らし ~小3の授業~

2020年01月31日 | 農業視察
毎年、息子たちが通う小学校の3年生が社会科「昔の暮らし」の授業で見学に訪れます。75歳になる母の「子どもの時代」の話と百草にお嫁に来た約50年前の地域の様子を聞き、農家にある古い農具や生活道具、家屋などを見て触って体験しました。子どもたちの質問に答える母からは、私も初めて聞くような母の昔話を聞くことが出来ます。また自分が子どもの頃の風景や生活の様子を思い出します。今の生活が当たり前になってしまうと、昔の事を思い出すことも少なく。だから、この授業は私も母のそばで話を聞いて子どもたちと一緒になって驚いたりしています。「子どものころはどんな遊びをしていましたか?」という質問には「子どもの頃は家が農家の子どもばかりだから、家のお手伝いをするのが当たり前で遊びなんて仕事の中で楽しめるように工夫していた。」と。いまどきの子には理解しがたい時代ですね。
カマドも、井戸もテレビでは見た事があるけどまるで馴染みのないモノ。でも、我が家では日常道具です。電化製品は楽ですが停電の時は使えません。
井戸は地下水なので、断水時も困ることはありません。便利で当たり前が出来なくなった時に困るのが現代社会。母の話を聞いていると、便利を知らない時代の人の方があらゆる面で逞しく応用力があるのではと思います。

いつの間にか使い捨て社会が確立され、竹やワラがプラスチックやビニール素材に変わってしまいました。作業道具としては軽くて丈夫で優秀な物も多いです。修理するより買った方が安くて時間も節約・・・、子どもたちに見せた竹の背負いかごも重たいのでこの数年お蔵入りです。でも、刃物は研いで長く使います。クワも父が農高時代に使っていたものを愛用。直せるものは修理して、長く使いたい気持ちはあります。でも大型農業機械に至ってはメーカーは修理するより購入を勧める、コンピューター内蔵で手を付けることも出来ないのが現状です。

比べようのない時代の子どもたち、昔の道具・お話・生活についてどこまでピンとくるのか・・・。

築100年の古民家に暮らす我が子たちが、友人たちに「雨漏り」の話をすればどのように思われるだろうか(笑)。私はこの雨漏りも厄介ではあるが嫌ではないのです。戦時中に立川方面に飛んでいく戦闘機が爆弾を落とし、その時の破片が飛び屋根に刺さって雨漏りするようになったと聞いています。そのようなエピソードのある雨漏りなので、子どもたちにも生活の中で戦争の傷跡を感じさせることが出来ます。

この先の未来、道具や生活がどのように変わるかの楽しみもあります。既についていけないことも多く、無理して流れに乗らず・比べず自分が一番暮らしやすい暮らし方をしていきたいと思います。
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中国からの視察

2019年09月26日 | 農業視察
寧夏回族自治区…今回初めて場所と名前を知りました…。遠方からお越し下さりありがとうございます。

「都市農業」と「環境保全型農業」落ち葉利用・里山維持・ミツバチ・踏み込み温床・稲わら・もみ殻・米ぬか・レンゲ…について我が家の農業についてお話をしました。とても熱心に質問してくださりお話のし甲斐がありました。

「伝承農法」についてのお話の時間は無くなってしまいましたが、よくよく中国の視察団の方の話を聞くと1枚の田んぼの大きさは数十ヘクタール規模の超大型機械での大規模農業。大量生産・大量消費の国だからとにかく生産量重視。我が家の小規模農業で先祖代々の土地を守りながら環境に配慮した農業をするという考え方や農業体験農園のレジャー的・健康維持・消費者が安心と安全を求め野菜作りに関わるこだわり・農作業での癒しというものには理解しがたいようでした。

母が40年前頃にさつま芋堀りの受け入れなどをしたときは「お遊びの農業と言われたが、数年たつと何人かが子どもたちに農業体験をさせることに共感してその輪が広がってきた。今はその当時の子どもたちが親になり自分の子どもを畑の体験に連れてくる。時間がかかるものだが、安心で安全な食べものがどのようにできるのかを知り・収穫体験して食することが大切なことだとわかってもらえた。」と話をしました。

40年前という時代は、生産性だけを求めていた時代の日本。国土も広い国だし文化も歴史も違うので、いつの日か我が家の考えを理解していただけたなら嬉しいです。
視察を受け入れ、中国を身近に感じられました。

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スイスからのお客様

2019年04月26日 | 農業視察
スイスのジュネーブを拠点とする女性の社会的役割の向上を目指すボランティア団体。女性エンジニアが中心となっているLYVAのメンバーが農園に体験・視察に訪れました。スイスは20年ほど前に私が農業研修生で1年ほど生活していた場所です。スイスの研修時代があったからこそ今の自分の礎になっていると思っています。スイスの研修時代のことを思い出すきっかけともなりました・・・。

体験型の都市近郊農家はスイスにはほとんどないそうです。我が家のような規模が小さく少量多品目栽培しているからこそできることなのです。スイスの大規模、複合農業は合理的でした。研修先は14ヘクタールのリンゴ畑、西ヨーロッパからの季節労働者を雇う農繁期、2カ月ほどで出荷する1万数千羽の養鶏。周辺の農地は管理され整い、牧草地はスイスの景観を形成し、国も国民も農家の作る「農の景観」を大事なものと位置づけていました。帰国してから日本のパッチワークのような点在する農地を大変残念に感じました。我が家もパッチワークの一部ですが、小規模ながらにこの景観が維持できればと願っています。そして体験を受け入れることが、農のある景観を残したい・残って欲しいと思ってくれる人を増やすことだと思っています。

LYVAの皆さまには、こいのぼり・五月人形・たけのこ堀り・桜湯・お餅つき・おかき・・・もち米・うるち米・里芋・ラッカセイ・のらぼう等我が家の食材をふんだんに使って我が家なりの日本の文化・伝統交流をしました。
タケノコ堀り・お餅つきは撮影タイム。おかきやのらぼうの胡麻和えは大変好評でした。ブルーベリーも大粒・甘いと追加を出すほど人気でした。
農園のスタッフとも翻訳アプリを使って交流。短い時間でしたが、楽しい時間を過ごしていただけたようでした。
またスイスに行きたいっ!といただいたチョコレートを食べながら思いました。


~『トウモロコシと枝豆種まき体験』ご参加の方~
明日の体験は雨が上がりそうな予報なので決行予定です。ジャム作りと種まきが畑の様子によって前後するかもしれません。
お待ちしおてります。




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JA越後ながおかの農家の皆様

2018年12月10日 | 農業視察
先日、新潟のお米農家の方々が我が家に視察に訪れました。数十ヘクタールという規模のお米農家の方々です。我が家の猫の額ほどの小さな田んぼに驚かれたかも(笑)

消費者と生産者の距離が近く、食農教育というかたちでお米が出来るまでを体験を通して教えることは大規模農家には出来ない事。わらは脱穀と同時に粉砕、なのでわら細工もみなさんほとんど未経験。またすり鉢でもみすりを体験させお米が白米に変わるまでを分かりやすく体験できるコーナーを紹介すると「なるほど、へえー」と感心されていました。皆さんはお米つくりのプロの方々です。美味しく品質の良いお米を育てることが専門です。でも消費者の方々に伝えたくても大規模農家にはそのような時間もないのが現状です。

私は都市農業は日本の農業を知ってもらう小さな入口の役目を持っていると感じています。同じ農業を担っていても規模の小さな都市農業は生産性が上がりません。だからこそ、農業の分業で身近に気軽に農業を理解してもらうためにもあえて我が家は農家らしく古き良きを保っていけたらと思いました。スマート農業もITに頼るのも人手の削減や効率・生産性につながります。でも、天候や伝統、その家独自の農法などを行う伝承農業が無くなることになります。時代を逆行する農家があってもいいのかも・・・。かまどや古井戸を復活して設置したことも、昔の農家らしさを追及し便利過ぎるこの時代にあえて不便なものには停電も無関係で生き抜く事ができるアイテムでもあると認識してもらえる機会になればと。

今回のように地域の違う農家仲間のお話は私たちにも色々な情報を与える機会になります。里芋も貯蔵法や、畦に適した草刈りしやすい草、かりんの事、用水にいる小さな魚(今まで気が付かなかったのですがオイカワ?がいるとのご指摘)・・・。こちらもまだまだ色々なお話聞かせていただきたかったです!久々に、「日本の農業・頑張っていこう!」と思いました。

※15日のお米つくり講座の詳細は12月上旬のブログに掲載、ご覧ください。
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都市農業・体験農園・会員制体験講座について

2017年06月28日 | 農業視察
今日は韓国の農業関係の方々の視察がありました。
パワーポイントでの説明・農場見学の1時間ほどです。
我が家の農業の特徴・高齢者のための体験農園の特徴・体験講座の特徴をお話しさせていただきました。
里山があって雑木林の管理をしながら落ち葉の堆肥作り。高齢の方々が野菜作りを通して元気になるための農園の開園。畑や庭、田んぼ、裏山は東京とは思えない自然豊かな環境です。この場所で育った素材を使用しての活動はかまどのご飯炊き・ラベンダースティックなどハーブ摘み・竹のはし作りやそうめん流し・ジャム作りなど。子どもも大人も高齢の方々も参加できる三世代交流の場になるような農家の役割もあるのでは・・・。幅広い年齢の方が訪れてくださるのも、この場所が昔を懐かしむ場所であり、子どもたちには残したい場所だからなのではと思います。そのような自分たちのお思いもお話ししました。
外国の方に我が家の活動について、知っていただく機会に恵まれたことに感謝です。本日はありがとうございました。


あと・・・先日、都内の子どもたちのじゃがいも堀りがありました。普段の生活にはない土に触れる・自然の中で遊ぶ・泥で汚れることも都会の子どもたちには必要で、≪元気になるスイッチ≫みたいです。自然体験のあとは「すっきりした良いお顔になっている」と先生がおっしゃていました。さすが、先生は沢山の子どもたちの顔や様子を見ています。ほんの数時間でも、来た時の表情と帰る時の表情の違いは別人のようで「おしゃべり」になる子、「にこにこ」笑う子、良く食べる子など様々な変化が。私たちはスイッチの入った良いお顔の子どもたちを見るのがとても嬉しいです。

色々な人と出会える農業を通しての体験は、とてもやりがいを感じます。




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