Blog 81

映画『東京家族』について

個人的メモ(161)

2023年10月03日 | 映画『東京家族』
 『こんにちは、母さん』⑧




 昨日の『珈琲時光』に対する見解は正しい蓋然性が高いと自負しているが、今日の記事はそうではない(笑)。
 他ならぬ『こんにちは、母さん』についてである。橋を挟んだふたつの物語(向島と浅草)を私はどうしても想起してしまうのは(『buy a suit スーツを買う』)前述の通りであるが、今日はそれをもう一歩進めてみる。福江(吉永小百合)の足袋屋を最初に訪れて、「あなたのご亭主、いい男だったわねえ」のようなセリフを言うのは広岡由里子であり、そこから、ありとあらゆる人たちが福江の足袋屋に来て、楽しい物語が高まってゆく。この、一番始めに来た広岡由里子さんは、 私のなかでは、市川準監督の最初の映画で富田靖子の同級生として重要な役を演じた方であり、もうその瞬間から私のなかで対位法の旋律が流れ始めてしまい、やがて「スーツを買う」までの静かな激流の音楽が広がってゆく。
 これぞ、「個人的メモ」である。















































 

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