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映画『東京家族』について

個人的メモ(187)

2024年01月13日 | 映画『東京家族』
『PERFECT DAYS』③, 『こんにちは、母さん』⑯


 “なんにしても、ひどい暑さだった。それに雨というものが降らなかった。あの年の関東のあの暑さは、焦土の暑さだったと云うよりほかないものだと、私はいまも思っている。”

『菅野の記』幸田文



















 “何度見てもこの橋(柳橋)は好きになれない。どうしてこんな頑固な橋をかけたのか。柳橋といふ名がかはいさうだ。「むかし芸者といふものがもつとずつと哀しいものだつたとき、みんなよくこの橋で涙がこぼれたものなんですよ。泣くと、自分の顔のおしろいが自分の涙でふうつと匂ふんですよ。悲しゆござんしたね。この橋は小さい癖に風が強くて、大川へ落ち口だから、風がねぢれるつて云ふんでせうか、そりや寒い橋なんですよ」と云ふ。”

『雪』幸田文



















 “思い出のない人はないだろうし、思い出の味を知らないという人もいないだろうと思う。”

『六十の手習』幸田文


























































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