茂山千作(語り) “雲母坂(きららざか)はちょっと急やけど、近いねん。子どもの足でも、三時間くらいで登れたんやなかったかな。それから、鴨川へは小魚をつかみに行ったりもしました。釣りやなしにつかみ取りですわ。川辺のジャコがいよるところをそおっと土で囲うてね、出られんようにしてから捕まえますのや。また二人で手ぬぐいを持ってすくい上げれば、ぎょうさんかかりますねん。それが楽しいてなあ。持って帰って焼いて食べた、なんちゅうことはあまりやりまへんな。あっはっは。
(中略)
昔、と言うても一四、五年前までは、家の庭にもヘビやイタチがおりましてね。ヘビがカナリアを獲りよって、呑み込んだあと鳥籠から出られへん。そんなんで、往生したこともございましたが……。この頃は、ほんまに虫もなにもおらんようになりましたなあ。” 「三月」
【再掲】 “こゝに在るわが国語の美しい持続といふものに驚嘆するならば、伝統とは現に眼の前に見える形ある物であり、遥かに想ひ見る何かではない”
『実朝』 小林秀雄 (昭和18年2月―6月)
“夕べ君を/ 悲しませた奴らも/ 好きにさせとけばいいのさ”
『Café Bohemia』 佐野元春 (1986.12.1)
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