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映画『東京家族』について

『対訳 テニスン(Tennyson)詩集』 西前美巳 編 (岩波文庫)

2013年09月27日 | 映画『東京家族』



There is sweet music here that softer falls
Than petals from blown roses on the grass,


咲きこぼれる薔薇の花びらが草の上に落ちるその音よりも
さらに優しく聞こえる調べがここにある、





Or night-dews on still waters between walls
Of shadowy granite,in a gleaming pass;
Music that gentlier on the spirit lies,
Than tired eyelids upon tired eyes;
Music that brings sweet sleep down from the blissful skies.


また雲母の煌めく山路、ほの暗い花崗岩の重なるなかを
音なき渓流に夜露の降りる音よりも優しく聞こえる調べが。
また疲れた瞼が疲れた眼(まなこ)に落ちかかるそのかそけさよりも
さらにかそけく魂に降りかかる調べが。そして
祝福満つる大空から甘き眠りを運ぶ調べが、ここにある。



    「CHORIC SONG Ⅰ / 合唱歌 Ⅰ」より







And the woodbine spices are wafted abroad,
  And the musk of the rose is blown.


忍冬(すいかずら)の香り、あたりに漂い、
 薔薇の香り馥郁(ふくいく)と風にはこばるる。



    「Maud / モード」より










Rosy is the West,
 Rosy is the South,
Roses are her cheeks,
 And a rose her mouth.


西は薔薇色、
 南は薔薇色、
あの娘の頬は薔薇の花、
 あの娘の口も薔薇の花。


「Maud / モード」より


 『2013.9.26 東京新聞』















There is none like her,none.
Nor will be when our summers have deceased.
 


From Maud


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