2月3日の山陽新聞の記事から引用します。
倉敷アブレイズ 新たな舞台へ決意 Vリーグ女子 来季参入内定で会見
※以下、引用です。
来季からバレーボールのVリーグ女子に参入が内定している実業団チーム・倉敷アブレイズの選手らが3日、倉敷市内で会見し、新たなステージでの戦いに向け抱負を語った。
監督、選手ら4人が出席。鈴木秀生監督が「市民に支えられてきたチーム。地域の子どもたちに夢を与え、岡山のバレーボールを盛り上げたい」と決意表明。セッターの大島杏花主将は「Vリーグ参入は通過点。ここからもっと駆け上がっていきたい」と飛躍を誓った。
アブレイズは2018年発足。倉敷市にある専用体育館を拠点に社会人のリーグ戦に出場し、昨夏の全日本6人制クラブカップ選手権で16強入りした。現在は選手17人が在籍する。昨年10月に日本バレーボールリーグ機構から3部相当のV3に参戦できるライセンスを交付された。今季のVリーグ女子はV1、V2のみで、来季の体制はV3の創設を含めて協議が行われている。
会見後には地元の支援者ら約200人が出席し、祝賀会も開かれた。
という訳で、来季からVリーグに参戦することが内定した倉敷アブレイズについて書きたいと思います。
というのも、先日知人からのお誘いで、ウルトラスステーションスタジアム(ウルトラス倉敷店)で倉敷アブレイズの鈴木社長を囲んだミニ会合に参加させていただきました。メンバーは5人の小さな会ですが、私ごとき素人が参加するのも面はゆいことでした。
アブレイズ(Ablaze)とは、「情熱」「興奮」「燃える」というような意味合いで、某県内バレーボールチーム(もろ分りで恐縮ですが、鷗さんのことです)の「クール」「冷静」「沈着」とは対極をなす感覚ですね。
チームマスコットキャラクターが「狐」というのは、非常に珍しいですね。その由来を鈴木さんから伺いましたが、その件はここでは伏しておきます(笑) 他方面に軋轢を生むことは本意ではありませんから・・。
岡山県内には、古くから男子の旭化成旭陽会(後の旭化成スパーキッズ)が活動しており、歴史はあるのですが、何しろこの旭化成が弱かった(笑) 1973年に2部落ちしてからは25年の長きに渡って下位リーグ暮らし。1998年にVリーグに復帰して以降も下位に沈むシーズンが続きました。現全日本女子監督の真鍋正義がセッターとして加わって以降は好成績を残すシーズンもありましたが、真鍋氏の松下電器移籍によって再び弱体化。チームは2006年3月限りで休部を決定し、チーム全体で受け入れてくれる全体移籍先を探りましたが叶わず、旭化成スパーキッズは解体しました。
一方、現在も岡山を拠点に活動する岡山シーガルズが岡山国体を控えて強化を図りたい県と市に招かれて、岡山にやってきたのは2001年でした。中国銀行と大本組を中心とした地元企業の支援体制の下で国体までの期間限定での活動予定でしたが、国体後も大本組は離れましたが中銀の支援体制が残って、チーム名を「岡山シーガルズ」に改めて岡山に残り、長くVリーグで唯一のクラブチーム(当時)としての活動を継続し現在に至ります。
東芝シーガルズという企業チームだったシーガルズが親会社の経営不振で休部の憂き目に遭い、河本監督のクラブ化構想に賛同した企業体の支援で富山を拠点に活動を続け岡山に移転したのが2001年でした。良くも悪くも河本氏のワンマンチームというのがシーガルズで、それが良い方に作用していればチームは活気づいて上位を伺いますが、歯車が狂うと全く勝てない弱小チームと化してしまう。ただ、現状のチームに河本氏にとって代われる人材がいないこともあって、中々苦境を脱することができずにいます。PFUブルーキャッツやKUROBEアクアフェアリーズなどが地道にチーム強化を進めており、ヴィクトリーナ姫路が現在蓄えつつあるクラブの地力を発揮し始めれば、V1女子の中ても置き去りにされてしまうという危惧が漂うのが現状です。素質ある若い選手たちが活躍し切れないのも、現状の問題点が顕在化していることを示していると思います。
さて、倉敷に誕生したアブレイズに関してです。本音を言わせてもらうと、海のものとも山のものともわからないと言わざるを得ません。
倉敷アブレイズHPは⇒こちら
懸念事項はクラブそのものよりも、日本バレーボール協会とVリーグ機構側にあります。方針が一定せず、新リーグ構想を打ち出して7年、現行のVリーグに変わってから4年を経過しても、舵を切ったはずのプロ化に至らない。過去に何度も失敗してきた同じ轍を踏み続ける上層部の無能ぶり。何しろ人材がいません。それは代表チームの監督選びの変遷を見てもよく分かると思います。
組織体制が脆弱なリーグ体制下で構想に上がっている来季からの女子V3が本当ら発足するのか? それすら不確実な中ではかなり不安がよぎります。
もう一つの心配事は、倉敷市のバックアップ体制のなさでしょうか? 倉敷市長(私はカオリンと呼んでいますが)はパフォーマーではありますが、所詮は元官僚です。スポーツ事業支援に消極的なのは見なくても分かります。お役所体質の権化のような倉敷市を動かせるかどうかは喫緊の課題の一つかと思います。
それはさておき、旭化成もシーガルズも外から岡山に移ってきたチームだったのに対して、倉敷に生まれ倉敷から全国を目指して行こうというアブレイズの心意気には期待しています。ここからが物凄く大変でしょうが、見守って行こうと思います。
鷗と狐の岡山ダービーがV1で実現できれば、それは素晴らしいことですし、岡山がそれによって盛り上がり活性化されることこそが私の願うことですから、敢えて茨の道を進もうというクラブを応援したいものですね。
「倉敷から全国へ羽ばたく バレーボールチームを目指します!」
その意気や良しですが、これからが大変なことばかりです。何も助言らしいことは言えませんが、頑張って頂きたい。
もし、関心があればご注目頂ければ嬉しく存じます。