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「怖い話、100円で買います」謎のディープスポット「怪談売買所」

2024年08月30日 00時03分12秒 | 日々の出来事


「怖い話、100円で買います」謎のディープスポット「怪談売買所」で聞いた“怖くて深くて暖かい話”(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース 

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「怖い話、100円で買います」謎のディープスポット「怪談売買所」で聞いた“怖くて深くて暖かい話”

8/12(土) 7:17配信2023



兵庫県尼崎市にある商店街「三和市場」。かつて「尼崎の台所」として賑わっていたが、現在はほとんどの店がシャッターを下ろしている。にもかかわらず、この場所にはいそいそと足を運ぶ人が絶えない。彼らの目的は買い物ではない。怖くて不思議な体験を売買しに来ているのだ。


【写真を見る】「怖い話、100円で買います」謎のディープスポット「怪談売買所」で聞いた“怖くて深くて暖かい話”


■“怖い話” 100円で買います 条件はただ一つ『実際に体験した話』


人の気配が全く感じられない、薄暗い商店街『三和市場』。その奥に、ひっそり仄暗い灯りがともる一軒の店がある。名前は「怪談売買所」。入口には達筆な文字で「怖い体験 不思議な体験を百円で買います」と書かれている。


店内を覗くと、男性の顔だけが宙に浮いて揺れている。怖い、と尻込みしてしまうが、よく見ると、蝋燭の炎の光が顔にだけあたって、浮かび上がって見えるだけだった。


この男性は宇津呂鹿太郎さん。『怪談売買所』の店主だ。店を開いて10年。それ以来、怖い体験、不思議な体験をしたお客さんを待ち続けている。お客さんが来た時には、小さな机を挟んで座ってもらい、レコーダーに録音をし、100円を支払う。一方で、怖い話を売ることもしている。その場合は「妖怪系」「学校の怪談系」などお客さんの好みに応じて1話100円で怪談を語るというシステムだ。


いったいなぜこんなことをしているのだろうか?


『怪談売買所』店主・宇津呂鹿太郎さん
「私は実話のみを扱う怪談作家のため、常に新しい話を仕入れないといけないんです。なのでどうすれば効率よく手に入るかいつも考えていたんです。


そんなあるとき知り合いから『寂れてしまった三和市場を盛り上げたいので店を出さないか』というお誘いが来たんです。でも売るものといったら本くらいしかない。それだけでは面白くないなと思って、冗談半分で『怪談を売り買いするのはどうだろう』と提案したら、なんと実現しちゃいました。


はじめは、こんな怪しい場所で、怪しいお店を構えてもお客さんなんか来るわけないと思いましたよ。でもそういう立地がよかったのでしょうか。すぐに口コミが広がって、おかげさまで座って待っているだけで、どんどんお客さんが怖い話を持ってきてくれるんです」


怪談売買所で扱っているのは、自身が実際に体験した話のみだ。客足が途絶えることはなく、閉店は21時だが、24時近くまで営業することもあるという。


なぜこんなに人が集まる場所になったのだろうか。宇津呂さんは、怪談話を“聞く”という受け身ばかりではなく、お客さんが主体的に“語れる”場所でもあるからではないかと感じている。


宇津呂鹿太郎さん
「嘘みたいな本当の話って、吐き出す場所がないからでしょうか。話し終わったあと『すっきりしました!』とみんな笑顔になるんですよ。だからなのかな、怪談売買所は売るよりも買い取りの方が多いんです。買い取りばかりでちょっとマイナスになっちゃってますけど」


どんな怪奇な出来事でも、本人が体験した人生の一部であることは間違いない。それは、聞いてほしいけど、聞かれることのない、心に引っかかり続ける思いだ。怪談売買所は、そんな個人の思いをやっと聞いてもらえる場所になっているようだ。


話を聞き続けてきた宇津呂さん。実は、ばらばらで集まる怖い話、不思議な話の中に、ある傾向があることに気づいたという。現代の科学では説明できない怪談話は、戦争や自然災害などの厄災の影響が色濃くでているというのだ。


未曽有の災禍をもたらす戦争や自然災害などのあとには、死者の存在を身近に感じる話が多く生まれるという。この怪談を売りに来たのは、自身も阪神淡路大震災で被災した人だった。


東日本大震災でも被災地では怪談話が相次いだそうだ。多くは呪いや祟りなどの類ではなく、扉がガタガタ動くなどのちょっとした違和感や、身内が夢枕に出てくるなどだったという。


なぜ厄災と怪談が結びつくのか。宇津呂さんは語り手の奥底にある思いが反映されているのではないかと話す。


宇津呂鹿太郎さん
「戦争や震災では不本意な亡くなり方をした方が多くいます。残された人たちは、突然の死を受け入れられなかったり、悔しさや憤りを抱えていることが多くあります。怪談には、そんな残された人たちが、亡くなった人たちを気にかけ、思いを馳せる、鎮魂の意味合いもあるように感じます」


さらに、怪談を聞くということは「背景となった戦争や災害などを後世に伝えること」に繋がるのではないかと宇津呂さんは感じている。


宇津呂鹿太郎さん
「悲惨な出来事は経験した人々の記憶には深く刻まれますが、経験していない人には、なかなかつながりません。しかし、怪談というみんなが興味のある物語になることで、きっかけは別でも、その背景にある厄災についても知ってもらう機会になりうるのではないかとも感じています」


本当に幽霊がいるのか…。それはもちろんわからない。しかし科学的に説明できないからといって、まんざら架空の物語ともいえないのかもしれない。不本意な亡くなり方をした人たちが多くいて、その人たちを思い続けながら生きている人たちがいる。亡くなった人への思いが込められた怪談は、時空を超えて、かつてと、今をつなげようとする試みなのかもしれない。そう、まるで、幽霊のように…。


TBS NEWS DIG Powered by JNN



■「引っ越しを寂しがっているのかな」死者の存在を身近に感じる怪談話

宇津呂さんには特に印象に残っている怖い・不思議な体験がある。


宇津呂鹿太郎さん
「阪神淡路大震災で大きな被害が出た界隈に10年間、住んでいた方のお話です。その方が家を引っ越すことになり、その前夜シャワーを浴びていると『バンッ・・・バンッ・・・』と板を叩くような音がしたというんです。


聞いたことがない音に驚いて、ゆっくり湯舟の方に目をやると、細長い子どものような手が見えたというんです。今までも何かがいるなという気配を感じてはいたそうなのですが、家を出る前の日にだけそんな事が起きたので、引っ越ししてしまうのを寂しがっているのかなと思ったそうです」










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