2025.01.24
# 不正・事件・犯罪
強盗や詐欺に利用されている可能性も…!ウーバー配達員の間で「客の情報を売る闇バイト」が横行…その怖すぎる使い道
# 不正・事件・犯罪
強盗や詐欺に利用されている可能性も…!ウーバー配達員の間で「客の情報を売る闇バイト」が横行…その怖すぎる使い道
前編記事『注文内容、住所など「1件500円」で客の個人情報を販売…!背景には「配達報酬減額」ウーバーイーツ配達員のあいだで広がる、ヤバすぎる「闇バイト」』より続く。
客の情報を何に使うのか
利用者の個人情報が売買されている状況をプラットフォーマーは認知しているのか。フードデリバリー国内最大手のウーバーイーツを運営するUber Japan株式会社に聞いたところ、以下の回答があった。
「(配達員から)個人情報を得て悪用しているという事象が発生していることは認識しておりません。(中略)なお、ウーバーイーツにおいて注文者は氏名を自由に設定でき、また、ウーバーイーツにおける注文の多くは、玄関先に商品を置く『置き配』が指定されており、アプリ上でも注文者の容姿や家族構成は配達パートナーに伝わらない仕組みとなっています」
確かに、配達員が入手できる注文者の情報は限られている。だがそれでも、利用価値は高いという。筆者の取材に応じた、個人情報を売り買いする「名簿業者」が明かす。
「フーデリの注文内容で、注文者の家族構成や年齢層、在宅時間や生活パターンまで推測できる。深夜にラーメンを頼めば男性の単身暮らし、ヘルシーな弁当なら女性が住んでいる、といった具合。もちろん1回の注文情報だけだと『その時たまたま』ということもあるが、複数の配達員から情報を取ってデータを積み上げることによって、確度が高まってくる」
フードデリバリー配達員の報酬は減額傾向にある
では、フーデリの注文者名簿には、いったいどんな使い道があるのか。
「主な使い道としては訪問販売。夜勤の若い女性が住んでいると思われる住居には、美容関係の飛び込み営業を昼頃にかけるなどの判断が可能になるからね。また、若者の一人暮らしの名簿は、信者獲得に熱心な新興宗教団体が欲しがる」(同前)
急増している闇バイト強盗や特殊詐欺グループも、ターゲット選定のために個人情報を収集していると言われる。犯罪に利用されている可能性について聞くと、名簿業者はやや声を荒らげてこう語った。
「そういう可能性もあり得るが、こっちは客が名簿を何に使おうが知ったこっちゃないよ」
客の情報を何に使うのか
利用者の個人情報が売買されている状況をプラットフォーマーは認知しているのか。フードデリバリー国内最大手のウーバーイーツを運営するUber Japan株式会社に聞いたところ、以下の回答があった。
「(配達員から)個人情報を得て悪用しているという事象が発生していることは認識しておりません。(中略)なお、ウーバーイーツにおいて注文者は氏名を自由に設定でき、また、ウーバーイーツにおける注文の多くは、玄関先に商品を置く『置き配』が指定されており、アプリ上でも注文者の容姿や家族構成は配達パートナーに伝わらない仕組みとなっています」
確かに、配達員が入手できる注文者の情報は限られている。だがそれでも、利用価値は高いという。筆者の取材に応じた、個人情報を売り買いする「名簿業者」が明かす。
「フーデリの注文内容で、注文者の家族構成や年齢層、在宅時間や生活パターンまで推測できる。深夜にラーメンを頼めば男性の単身暮らし、ヘルシーな弁当なら女性が住んでいる、といった具合。もちろん1回の注文情報だけだと『その時たまたま』ということもあるが、複数の配達員から情報を取ってデータを積み上げることによって、確度が高まってくる」
フードデリバリー配達員の報酬は減額傾向にある
では、フーデリの注文者名簿には、いったいどんな使い道があるのか。
「主な使い道としては訪問販売。夜勤の若い女性が住んでいると思われる住居には、美容関係の飛び込み営業を昼頃にかけるなどの判断が可能になるからね。また、若者の一人暮らしの名簿は、信者獲得に熱心な新興宗教団体が欲しがる」(同前)
急増している闇バイト強盗や特殊詐欺グループも、ターゲット選定のために個人情報を収集していると言われる。犯罪に利用されている可能性について聞くと、名簿業者はやや声を荒らげてこう語った。
「そういう可能性もあり得るが、こっちは客が名簿を何に使おうが知ったこっちゃないよ」
まったく別人の配達員が来る
フーデリ配達員のなかには、こんな「闇バイト」の打診を受けるケースもあるという。
「配達先のマンション宅配ボックスで、『受け取り荷物あり』として表示されている部屋番号のリストをスマホで撮影し、送信すれば1件あたり1000円もらえるというバイトでした。長期間荷物を回収していない部屋を割り出して空き巣のターゲットにでもするのではと思い、私は相手にしませんでした。でも、周りの配達員仲間のなかには応募している人もいましたね」(ベテラン配達員)
また、配達員の「アカウント貸し」も横行しているとされる。アカウントを必要とする第三者に自身のものを貸与して、報酬を得るのだ。
'21年には、他人名義でのアカウントを利用する外国人の不法就労を助長したとして、Uber Japanと代表らが書類送検された。その後、同社を含め大手フーデリサービスは、顔認証システムを導入。他人名義のアカウント利用は困難になったとされる。
しかしフーデリ利用者からは、「アプリで表示されている配達員とまったくの別人が来た」「日本語が通じない配達員だった」などといった報告が、現在も後を絶たない。
池袋西口で注文待ちをする外国人配達員
'24年には、複数のウーバーイーツ配達員のアカウントを利用し架空の受発注を行って配達報酬を騙し取ったとして、飲食店経営のベトナム人らと日本人あわせて10人が、電子計算機使用詐欺罪で福岡県警に逮捕・起訴されている。
ベトナム人らは配達員に「アカウントを貸すだけで月9万円もらえる副業をしませんか」と書いたチラシを配り、日本人らがこれに応じていた。過去2年間で3000万円が詐取されたとみられている。
アカウント貸与が相次いでいる理由についてUber Japan株式会社に取材すると、「不正行為防止等の観点から、不正行為に関する手法や対策の詳細は原則として公開しておりません」という回答だった。
「業務外」の依頼を受けて報酬を得る行為は、ウーバーに限らずさまざまなフーデリ配達員の間で横行している。「通常業務」だけでは食えない状況が続けば、「闇バイト」もますます増えそうだ。
「週刊現代」2025年1月25日号より
フーデリ配達員のなかには、こんな「闇バイト」の打診を受けるケースもあるという。
「配達先のマンション宅配ボックスで、『受け取り荷物あり』として表示されている部屋番号のリストをスマホで撮影し、送信すれば1件あたり1000円もらえるというバイトでした。長期間荷物を回収していない部屋を割り出して空き巣のターゲットにでもするのではと思い、私は相手にしませんでした。でも、周りの配達員仲間のなかには応募している人もいましたね」(ベテラン配達員)
また、配達員の「アカウント貸し」も横行しているとされる。アカウントを必要とする第三者に自身のものを貸与して、報酬を得るのだ。
'21年には、他人名義でのアカウントを利用する外国人の不法就労を助長したとして、Uber Japanと代表らが書類送検された。その後、同社を含め大手フーデリサービスは、顔認証システムを導入。他人名義のアカウント利用は困難になったとされる。
しかしフーデリ利用者からは、「アプリで表示されている配達員とまったくの別人が来た」「日本語が通じない配達員だった」などといった報告が、現在も後を絶たない。
池袋西口で注文待ちをする外国人配達員
'24年には、複数のウーバーイーツ配達員のアカウントを利用し架空の受発注を行って配達報酬を騙し取ったとして、飲食店経営のベトナム人らと日本人あわせて10人が、電子計算機使用詐欺罪で福岡県警に逮捕・起訴されている。
ベトナム人らは配達員に「アカウントを貸すだけで月9万円もらえる副業をしませんか」と書いたチラシを配り、日本人らがこれに応じていた。過去2年間で3000万円が詐取されたとみられている。
アカウント貸与が相次いでいる理由についてUber Japan株式会社に取材すると、「不正行為防止等の観点から、不正行為に関する手法や対策の詳細は原則として公開しておりません」という回答だった。
「業務外」の依頼を受けて報酬を得る行為は、ウーバーに限らずさまざまなフーデリ配達員の間で横行している。「通常業務」だけでは食えない状況が続けば、「闇バイト」もますます増えそうだ。
「週刊現代」2025年1月25日号より