週刊ダイヤモンド』2020/3月14日号の第1特集は「入学者の5割! 大推薦時代到来! MARCH 関関同立」です
。近年、大学1年生の約半数はAO・推薦入試で入学しています。親世代とは大きく異なるAO・推薦特有の入試事情と合格する秘訣、さらに、一流企業に就職しやすい難関大学へ推薦入試で入る「お得ルート」も調査しました。
【この記事の解説図版全4点はこちら】
● 大学入学ルートが様変わり 私立ではAO+推薦で5割超
春といえば大学入学シーズンだ。晴れて希望の大学に受かった学生と、残念ながら希望が叶わなかった学生がいるのは何度も繰り返されてきた世の常といえる。
しかし、昨今、かつてとは大きく変わったことがある。実は一般入試以外のAO(アドミッションオフィス)入試や推薦入試が激増していて、私立に至っては50%を超えているのだ。
2000年時点で国公立大学と私立大学を合わせたAO・推薦入試比率は33%。それが10年後の20年度には45%と約1.5倍に増えた。私立に限ってみれば52.4%とすでに半数を超えている(図1参照)。
AO・推薦入試がここまでの存在になったのはなぜだろうか。一つは大学が、多様性を求めるようになったことが挙げられる。
もう一つの理由は大学の経営難だ。なにしろ、1992年をピークに日本の18歳人口は減り続け、09年ごろからいったん横ばいで推移してきたが、来年、21年ごろから再び減少局面に突入すると見られている。
そこで学生確保のため、一般入試よりも早い時期に、入学定員を確保でき、しかも、一部の大学では「名前さえ書けば入れる」と揶揄されるAO・推薦入試を積極的に実施しているというわけだ。
● 受験生の約8割が 「推薦入試を利用したい」
学生側にもAO・推薦に積極的になる事情がある。ランクを下げてでも浪人せずに現役で大学に行ける推薦入試を望む傾向がかなり強まっているのだ。ある調査では浪人のリスクがない推薦・AO入試を利用したがる受験生が8割近くに上っている(図2参照)。
この異常なほどの安全志向の背景には、入試制度改革がある。今年度の受験生は、来年度から新たな入試制度に切り替わることで“過去問”を勉強することができなくなるため、来年度の受験を避けようと極度な現役志向が強まったことが考えられる。
さらに、国の要請により首都圏の難関私立大が定員を厳格化したことで早慶上智・MARCHのレベルが上がり、ますます一般受験を避ける傾向が強まっている。
大学側の事情、生徒の気持ち、制度の変更、国の意図など、ありとあらゆるものが「AO・推薦増加」への追い風となっているのだ。
その結果、最新の20年度入学の一般入試で異変が起こった。
もう一つの理由は大学の経営難だ。なにしろ、1992年をピークに日本の18歳人口は減り続け、09年ごろからいったん横ばいで推移してきたが、来年、21年ごろから再び減少局面に突入すると見られている。
そこで学生確保のため、一般入試よりも早い時期に、入学定員を確保でき、しかも、一部の大学では「名前さえ書けば入れる」と揶揄されるAO・推薦入試を積極的に実施しているというわけだ。
● 受験生の約8割が 「推薦入試を利用したい」
学生側にもAO・推薦に積極的になる事情がある。ランクを下げてでも浪人せずに現役で大学に行ける推薦入試を望む傾向がかなり強まっているのだ。ある調査では浪人のリスクがない推薦・AO入試を利用したがる受験生が8割近くに上っている(図2参照)。
この異常なほどの安全志向の背景には、入試制度改革がある。今年度の受験生は、来年度から新たな入試制度に切り替わることで“過去問”を勉強することができなくなるため、来年度の受験を避けようと極度な現役志向が強まったことが考えられる。
さらに、国の要請により首都圏の難関私立大が定員を厳格化したことで早慶上智・MARCHのレベルが上がり、ますます一般受験を避ける傾向が強まっている。
大学側の事情、生徒の気持ち、制度の変更、国の意図など、ありとあらゆるものが「AO・推薦増加」への追い風となっているのだ。
その結果、最新の20年度入学の一般入試で異変が起こった。
超難関私大の早慶上智やMARCHが軒並み前年割れとなっている(図3参照)。
一方で志願者が増加した私立大学を見てみると、偏差値はかなり入りやすい水準の大学名が並んでいるのだ(図4参照)。
一方で志願者が増加した私立大学を見てみると、偏差値はかなり入りやすい水準の大学名が並んでいるのだ(図4参照)。