岩国矯正歯科クリニック(山口県)院長の矯正日記

院長が、健康・矯正に関すること、日々の出来事などを綴っています。

患者さんとの絆づくり

2012-01-25 13:45:38 | 矯正歯科に関すること
稲岡勲氏は、歯科関係のコンサルタントを手がける評論家です。歯科医院のあり方へのコメントは的確で、私は敬愛しており、講演会でお会いしたこともあります。稲岡氏のコラムを抜粋します。

医療においては、<断つに忍びない恩愛>という意味での絆を作る必要があります。主治医と患者さんとの関係の基盤は、信頼です。もし患者さんが元気なのに来院しなくなるのは、転院を意味します。去っていくのは、何か満たされないものがあるからです。

一旦来院した患者さんをしっかり繋ぎ止める関係づくり、<絆>作りをすれば、簡単に転院することはありません。患者さんから見て余ほど技術的に劣るものでなければ、親しく優しい信頼のおける先生に診てもらいたいと思うのは、人情というものです。基本的には、医療経営においては、競争の概念はないと思います。

もし医療経営での競争があるとすれば、技術です。患者さんが明らかに技術による格差を認識し、それが自己の許容限度を超えた時には患者さんは去っていきます。ですから、院長自らが技術的に難しい症例と判断した場合は二次医療機関に紹介するべきです。無理に手がけないことです。それが患者さんとの信頼関係の維持の基です。すべてを自分の手で治療することが、患者さんの信頼を増すことにはなりません。

患者さんの立場、患者さんの意志を中心に考えるべきです。その患者さんの病状、期待、感情、恐れと院長自身の技術的な自信を考慮して決定するべきです。患者さんへの押しつけにならないように十分な配慮は必要ですが、患者さんにプラスになる情報はキチンと話すべきです。

また、一人一人の患者さんの情報は、文章化してスタッフと共有するべきです。患者さんとの絆は、院長とスタッフと患者さんとの間でガッチリ構築するべきです。

このコラムは<医は仁術>であることを、具体的なありようで教えてくれる内容でした。厳寒の中でも咲き誇る水仙のように、可憐で逞しい生き方をしたいものです。

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