岩国矯正歯科クリニック(山口県)院長の矯正日記

院長が、健康・矯正に関すること、日々の出来事などを綴っています。

エディー・ジョーンズ氏のコーチイング

2015-11-17 11:39:29 | 感動した書籍
2015年のラグビー・ワールドカップで日本代表を躍進させたヘッドコーチこそ、エディー・ジョーンズ氏であることはご存知でしょう。彼のコメントを聞いて、深い洞察力に裏付けられた説得力のある内容であると常々感じていました。

本当は彼自身の著作を読みたかったのですが、ありません。代わりに、10時間インタビューした内容をまとめた本「エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは<信じること>」を読みました。

彼はたたき上げのコーチで、勝利請負人としての自負を持っています。母親が日系ですので、自分がオーストラリアで生き残るための手段として国内で人気のあるラグビー界で活躍することに活路を見出したのでした。ハングリーですので、勝利へのモチベーションが高くなります。取り分け、勝利へのアプローチが知的で戦略性に富んでいるコーチングであるところが、秀逸です。

日本人はアピールするのが不得意な<自分の強み>を気付かせて、統計(スタッツ)に裏付けられた日本代表の勝利の方程式を練習で徹底するようにコーチしています。彼は面白い言い方をしています。

「『どのサラブレッドにも速く走らせる方法はある。調教師の仕事は適した方法を見極めるだけだ。』これこそが、アートなんです。コーチの仕事はいかにそれぞれの人間の能力を最大限に引き出すか、それにかかっています。」

人を相手にするのですから、優れたコーチの考えに従ってもらう必要があります。

「まず、戦略を立てますよね。そして、それを選手に売り込むのもコーチの役割なんです。・・・理解力が乏しい選手も中にはいるんです。そんな時、コーチは優秀なセールスマンでなければならない。選手に信じてもらうために、私は自分の戦略を必死で売るんです。・・・何よりも、魅力的な面白いプランとして売り込まなければいけません。新しいプランのために、目新しい練習方法を導入したりもします。」

「コーチに必要とされるのは、最終的なイメージを持つことです。もちろん、勝つチームを作りたい。誰だってそうです。ただ勝つだけではなく、どういったスタイルで戦うのか、そのイメージを持っていなければなりません。・・・様々な可能性を考慮に入れて、判断し、決断していく。毎日の練習の中でも常に判断しなければならない状況に直面します。その時に拠り所となるのが、自分のイメージです。」

勝利するための戦略が優れ、具体的な戦術まで考え、選手に分かり易い説明しながら選手に信じ込ませ、目前の対戦相手に即応した練習を導入して、予告通りに勝利する。選手に信じ込ませるのではなくて、正確には「選手が戦術を信じること」が大事です。エディー・ジョーンズ氏は分かり易いリーダーシップ像をラグビー・ワールドカップで示してくれたと、私は思っています。

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