和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

雑記。

2012-05-07 07:34:05 | いつもの日記。
やっと満足のいく作品が書けた。
というわけで、「確認作業」でした。
いやー、実にバカっぽいねー。
絶不調時にこういうライトなノリが書けるとは思ってもみなかった。
かなり乱暴に書き上げたので、色々不備もあるだろうけど、とにかく完成した、
書き上げることができたということで、まぁよしとします。

それにしても、小説が書けない。いや、今一作書いたばかりでアレだけども。
――じゃあ、既存の作品の加筆修正をすればいいじゃない。
ということで、少しずつ手直しをしています。(現実逃避)
どの作品をどれくらい手直ししたかは秘密だ!
まぁ秘密にする意味もないんですけどね。
あと、加筆修正するのは小説置き場の方の作品とします。
こっちのはSSだからね。修正するのはコンセプトに反するので。

スマイルプリキュアが面白いよね。
・・・何だろう、この話題はこれ以上広げない方がいい気がする。
アニオタなんだし今更隠すこともないと思うけども。
取り敢えず、可愛くて面白いよ、とだけ。

「田舎の刑事の趣味とお仕事」を読んだ。
デカ黒川鈴木の原作なんだけど、面白かったー。
元々ドラマの方から入ったんだけど、思った以上に原作通りだったんだなぁ。
特に白石が素敵。
やっぱドラマ見た後だからかな。田辺誠一のイメージが強い。
そして、ドラマ同様にウザい。
最高です。
次作では黒川さんが心労で倒れるんだって。
何この萌えるおっさんキャラ。

昨日だか一昨日だかは、スーパームーンだったんだって。
何それかっこいい。
何か、月がいつもより少し大きく見えたんだとか。
普段からそんなに月見てないから比較のしようがないような。
あと、たまにびっくりするくらいデカいことあるよね。
あれより更にデカいんだろうか。
だったら見れば分かるかも知れない。
・・・そこまで気になってるんだったら実際に見ればいいのにね。
言ってることも行動も適当です。
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【SS】確認作業

2012-05-07 07:25:56 | 小説。
「というわけで、認めますか?」
長い髭をたくわえた男性が、長机を挟んで向かいに座る青年に問いかけた。
「認めません!」
青年が、即反論する。
「何度言われても、認められません!」
青年の苛立ちはピークに達し、ドンと机を殴りつけた。
「あー・・・そう言われましてもねえ」
「認めないものは認めない! あんた責任者なんだろう? 確認してくれれば分かるから!」
「責任者・・・それはそうですが」
髭の男性は困り顔で、申し訳なさそうに言った。

「私、所詮派遣社員ですからねえ」
「派遣なの!? 閻魔様なのに!?」
「ええ、時給1200円で」
「安いな!」

コホン、と閻魔は咳払いをして、仕切り直す。
「申し訳ありません、もう一度最初から。
 貴方は昨日、5月5日に福岡市内の宝石店で亡くなっていますね」
「はい」
「えー、時間は夕方の5時頃。貴方は宝石店に押し入り金品を要求。
 警備員を刺殺するが別の警備員に取り押さえられ、揉み合いの中自らの腹部を刺し死亡」
「だから! 俺はその刺殺された警備員の方だっつーの!」
「あー、えーと、つまり・・・?」
「取り違えじゃねえの?」

バサッ。
閻魔は衝撃の余り手に持った資料の束を机に落とした。
「取り違え・・・いや、でも確かに番号は合ってますよね? 整理番号は?」
「1192番」
「うん、合ってる。お名前は、坂井利正」
「そこが違うって! 誰だよ坂井って!」
「まあまあ落ち着いて坂井(仮)さん」
「何だその(仮)ってのは!」
「書類上、貴方は坂井利正さんなんですよねー」
閻魔はこともなげに言う。
それがまた青年の癇に障る。当然といえば当然だ。
「だからその書類が間違ってるっつってんだろうがよ!」
「年齢は37歳」
「聞けよ! しかも年齢も違うし!」
「住所不定、無職」
閻魔はもう半ばヤケになって書類を読み上げるのだった。

「とにかく、俺は坂井なんて名前じゃないし、強盗もしてない! 冤罪だ!」
「うーん、そう言われても困っちゃうんですよね」
閻魔はさも困ったような顔で書類を見つめる。青年の方は見ていない。
「何が困るってんだ」
「いやね、貴方もう地獄行き決定してるんですよね、ぶっちゃけ」
「マジで!?」
「余罪もボロボロ出てきてて。こりゃ天国はねえな、ってのが上の意見です」
「閻魔より上があんの!? まぁ派遣だもんな」
自分で言って自分で納得する青年であった。

「そうだ、監視カメラ!」
青年は突如思い付いたことを話す。
「監視カメラに犯人が写ってるはずだ。その人相を見れば、俺じゃないって分かる!」
「なるほど」
閻魔はようやく視線を書類から上げた。
「早速電話で聞いてみましょう」
言って、懐から携帯を取り出し、何やら操作し出した。
死後の世界も携帯ってあるんだな、などと青年は思った。

「あー、もしもしこちら閻魔です。どうも、お世話になります。
 ええ、今確認中で。そう、その1192番なんですけどね。冤罪だって言うんです。
 はい、それで被害にあった宝石店の監視カメラを証拠として確認したいと。
 ええ、ええ。そうです。
 ああ、はあ、はい。・・・はい、そうですか。そうですよねえ。
 分かりました、失礼しました。はい、お疲れ様ですー」

「・・・で? で?」
青年は期待を込めた目で閻魔を見据える。
「いやね、その監視カメラの映像なんですけどね。プライバシーの関係上見れないって」
「は!?」
「ほら、今そういうのどこも厳しいでしょ? ココも何か最近急に厳しくなったみたいで」
「いやいやいや、ちょっと待て。監視カメラだぞ!? こういう時に使わなくてどうすんだ!」
「そう言いますけどね、これ規則でねー」
「そんな規則で地獄行き確定とか、納得できるわけねえだろ!」
ドン! と再び机を殴りつける。
本当は閻魔を殴りたかった。

わずかな沈黙。
青年はピリピリしていて、閻魔は何を言ったものか思案している。
そこで、閻魔は思い付いた。
「あ、そうだ坂井(仮)さん」
「坂井(仮)じゃねえけど、何だよ」
青年、もはや少し諦めにも似た雰囲気である。
「店の監視カメラはそう言った事情でダメですけどね。
 コッチの世界はコッチの世界なりに現世を監視してるんですよ。
 監視天使っていってね、色んな映像を記録してる人がいるんです。
 その映像、もしかしたら見れるかも知れません」
「おお、そういうのあるのか! それだ、それ見てくれ!」
「はい、早速」
言って、閻魔はノートパソコンをカチャカチャと操作しだす。
「ええと、福岡の・・・宝石店の映像。はい、ありますね、これだ」
「おおお! きたか!」
「はい、再生します」
カチッ。
閻魔は勢いよくエンターキーを叩いた。

・・・・・・。

『このファイルを参照する権限がありません』

「マジで!?」
青年は絶叫した。
「あー・・・」
一方、閻魔はやっぱりなー、くらいの感じで息を漏らすのだった。
青年にとってはたまったものではない。
「いやいや、閻魔だろ! えーんーまーだーいーおーうー!」
「だからね、私、派遣でね」
「何ッで閻魔なのにファイル参照程度の権限がねえんだよ! どんだけ底辺だ!」
「ぶっちゃけ、ひ孫請けくらい?」
「多重派遣かよ! 中抜き酷ぇなオイ!」
道理で時給も1200円になるわ! と青年は妙に納得するのだった。

ピピピ、ピピピ、ピピピ。
突如、部屋の中に電子音が響いた。
閻魔は懐から何やら時計のようなものを取り出す。
「あー、時間ですね」
「時間?」
「面談は、ひとりあたり20分までって決まってまして」
「マジで!?」
今日何度目か分からない、青年の悲痛な叫びだった。
「それに、退社時間があと5分で」
「残業くらいしろよ! 俺の人生どうなるんだよ!」
「あははは、もう死んでますから人生も何もないですよ」
「笑い事じゃねえよ!?」
「とにかく、今日のところは私これで退社ですので。お引取りを。じゃ」
「じゃ、ってオイコラてめぇどこに行くんだ!?」
閻魔はパソコンを閉じてそそくさと立ち上がり、部屋を出ていった。
・・・マジか・・・。
青年は、椅子にもたれかかって天を仰ぐ。

と、そこで天井の照明が消えた。
省エネの精神も、現世と何も変わらないようだった。
コメント (2)
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