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埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

埼玉の地酒 出荷伸び率日本一

2010年02月19日 09時59分49秒 | 食べ物・飲み物 狭山茶 イチローズモルト 忠七めし・・・
埼玉の地酒 出荷伸び率日本一

久しく、いも焼酎専門だった。若いころは日本酒も人並み以上に飲んでいたので、新聞にお酒関係の記事が載っていると自然に目が行くようになっている。朝日新聞埼玉版(11年2月19日)を開くと、「埼玉の地酒日本一」と信じられないような見出しが飛び込んできた。

酔眼なので、「ナヌ!」とよく見ると、日本酒造組合中央会の調べで、10年の1―9月期の全国の清酒出荷量が前年同期比4.4%減と低迷する中、県産出荷量の伸び率が、前年同期比2.2%増と全国一になったというのだ。

中央会によれば、11年には出荷量は、実に前年比24.4%増え、2万2695klとなり、酒どころの兵庫、京都、新潟に次ぎ、前年の7位から4位に上昇したという。

全国の出荷量は、0.8%減の約60万kl、縮小に向かうなかで、県の出荷量の伸びは全都道府県で最高となった。

小山本家酒造(さいたま市)が子会社の茨城県の賜杯桜酒造を統合した影響だとか。出荷量の内訳は、一般酒が28.7%増で最も伸びが高かった。吟醸酒やアルコールを添加しない純米酒も一桁台で伸びている。小山本家酒造以外の出荷量も増えているという。

ちょっと考えてみると、伸びている理由はよく分かる。「安くておいしい」から知名度は低くともこのデフレ時代にぴったりマッチしているからだろう。

東京の池袋を本店とする「居酒屋清龍」というチェーン店が御徒町、神田など都内各地にある。「清龍」の升酒一杯の値が格安で、おつまみも手ごろなので、いつも客でにぎわっている。

蓮田市にある蔵元清龍酒造も何度か訪ねた。江戸時代から続いていて、馬をつなぐ柵が残っているのが印象的だった。岩手県花巻市に自社水田を持っているのが自慢。

そう言えば、騎西町の釜屋の「力士」のテレビコマーシャルを覚えておられる方もあろう。これも江戸時代からの蔵元で、ホームページを見ると、平成21年の埼玉県春季清酒鑑評会で技術優秀賞と埼玉県総合第一位を獲得したと書いてある。

この他にも「秩父錦」など東京にも知られた銘柄もいくつかある。荒川と利根川の二つの大河に恵まれ、水には恵まれているので、うまい酒ができないはずはない。

課題は、成人一人当たりの清酒消費量は全国40位(08年度)、県内での県産酒消費割合も2割に満たないことと、県酒造組合では言っているという。埼玉の地酒の消費量の今後の伸びが楽しみだ。