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サクラソウ さいたま市田島ケ原 絶滅の危機

2014年01月16日 12時20分00秒 | 盆栽・桜・花・木・緑・動物


暖かさと寒さが毎日のように入れ替わったお蔭で、11年4月10日の土曜日、田島ケ原のサクラソウと染井吉野の満開が重なった。

荒川の河川敷にある田島ケ原は、サクラソウの自生地として知られる。1920年、日本で最初に指定された天然記念物の一つで、サクラソウで国の特別天然記念物になっている(1952年)のは全国でここだけ。植物の天然記念物に「特別」がつくと仏像などの国宝に匹敵するとか。計約4.12haが2か所で低い柵に囲まれて保護されている。

どうして数えるのか。10m四方の定点11か所を、7人が3日がかりで一つ一つ数え、推定するという。鳥や動物だと動き回るので数えるのも大変だが、サクラソウは動かないから可能だ。

自生のサクラソウと言っても、いろいろな違いがある。花びらの形も色も中心紋の大きさ、切れ込みも微妙に異なっている。確かに目を近づけてよくよく見るとそのとおりだ。

興味がある人は、現地で配られている小さなパンフレットを見ると、よく分かる。サクラソウは施肥しない。その代り、オギやヨシが2~3mまで伸び、日当たりが悪くなって、サクラソウの成長を妨げるので、毎年1月下旬に野焼きする。一つの風物詩になっていてカメラマンが押しかける。

サクラソウには地下茎があり、種子も地下に埋まっているので、火を生き延び、焼けた灰を肥料に成長する。芽を出し 茎や葉が伸びても、年によって違うが、開花するのは3割程度、一株に6つほどの花をつけるという。

18年6月には市議会で株数の急激な減少が取り上げられ、03年にピークの235万株から、17年に72万株、18年に66万株と3分の1以下に減少、「危機的状況」にあることが明らかになった。

気候温暖化や周辺河川の改修に伴って、河川敷への反乱がほとんどなくなったため、乾燥地に適した植物の増加、外来種の侵入がサクラソウを圧迫していることなどが原因で、市としては自生地保護のため、19年度から本格的な実態調査に乗り出す。