ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

埼玉県自然学習センター 北本市

2010年05月17日 07時34分44秒 | 博物館



名を聞けば、小中学生相手の施設だと思うだろう。行ってみると大間違い。「入場無料のこんな場所の近くに住めればいいだろうな」と思ったほどだ。

新聞の埼玉県版を見ていたら、北本市の「埼玉県自然学習センター」(北本自然観察公園内のビジターセンター)で、愛鳥週間に合わせ、野鳥を観察しながら英会話を学ぶ「レッツトライ!英語で自然観察」という催しがあるという。

桜が終わって、新緑の季節。梅雨までのこの短い期間は、秋の一時期と同じように、日本では最も素晴らしい日々だ。初めて聞いた小学校時代以降、「愛鳥週間」にはほとんど気にとめたことはなかったのに、最終日の10年5月16日の日曜日、桜の時に続いてまたも緑豊かな北本市にやって来た。(写真)

この公園が出来た頃に一度来たことはある。現役時代で時間が無かったため、展望室に登っただけ。「いつかゆっくり見てみたい」と思ったのが、この歳になってやっと実現したわけである。

田んぼだった所が開発されそうなので公園にしたというだけあって、メーンはヨシが生い茂る湿原や池だ。私は本来のアシという呼び方が好き。「人間は考えるヨシ(葦)である」では締まらない。

この季節、ここには渡り鳥のオオヨシキリが大挙してやって来る。オオヨシキリはその騒々しい声で知られる。ヨシキリは日本語では、「行行子」という字をあてる。この漢字を音読すると、「ギョ、ギョ、ギョ」と鳴きたてるオオヨシキリの鳴き方がわかる。繁殖期とあって、なかなかのにぎわいだ。

「同じウグイス科なのにどうしてこんなに違うんだろう」と思うほど,おなじみの美声のウグイスの声も聞こえる。「声はすれども姿は見えず」のその小さな姿も、三脚付きの望遠鏡をのぞかせてもらって見ることができた。ちらっと見たことはあっても、ウグイスをこれほど鮮明に見たのは初めてだ。

宝石と呼ばれるほど美しいカワセミも、姿だけではなく、「チー!」という鳴き声を聞かせてくれることもある。カワセミを聞くのも初めてだった。「古い自転車のブレーキ音」にたとえられる声である。

ところで、オオヨシキリは英語では何と呼ぶのだろう。用意された資料によると、Great reed warbler。reedはヨシ、warbleはさえずるという意味だから、文字どおりヨシの中でさえずる鳥なのだ。

英語の達者な年配者が電子辞書を持っておられたので、「ウグイスを引いてみてください」と頼んだら、Bush warbler。こちらはやぶの中でさえずる鳥なのだ。資料では、カワセミはKingfisherとあり、久しぶりに思い出した。

参加費は500円。なにか得をしたような午後だった。決してお子様専用の場所ではない。 







最新の画像もっと見る

コメントを投稿