私がまだ東京にいて山屋をやっていた1986年7月。
南アルプス仙丈ケ岳で、偶然雷鳥の親子に出会いました。雛は五羽いました。
ほほえましい光景に周囲の登山者に微笑みがこぼれました。
北アルプスでも同様な光景に出合いましたが、追いかけるようなことはしませんでした。
数年前に、写真を撮るために雷鳥の雛を追いかけ、崖っぷちに追いつめて、
結局崖から落ちた雛がすべて死んでしまったことが報じられました。
野鳥の前にカメラの放列を作るのはこの行為と同じだと考えて、私は野鳥を追いかけることはしないようにしています。
できるだけ何気ない出会い、自分でつくる出会いにとどめるようにしたいと思っています。