新古今和歌集の部屋

唐詩選画本 送人還京 岑参 蔵書

われはにしへゆくに
にしのたかきかたより
ひかしへむいて、かへる
ゆへ、てんくはいより
かへるといふ。
みやこへ帰る事
ゆへ、むまをたゝ
きたてゝ、とりの
ことくはやくいそ
いて、かへらるゝことうらやま
           しい
そこもとは、かへらるゝ
         から
うれしかろふが、われはかへ
る事もならぬ。この
交何のきたにいていま
このところで、こなたを
おくり見れは、さむいじふんで
はや、ゆきかあるこのゆきを見
なから詩をつくりおくるについても
われは、このやうな、さむいところへ
きているが、こなたかへらるゝが、

われはいつかくる事じややら
            また
いつあふやちしれぬと、
  おもへばかなしうなり、
   なみた、ころもにみつと也
 
 
 おくるひとのかへるをきやうに
 送人還京
ひつばせいらいてんくはいより
匹馬西来天外
かへるあけてむちをたゝともにとりと
帰揚鞭只共鳥
あらそふとぶことをおくるきみをくくはつ
爭飛送君九月
かうかのきたせつりたいして
交河北雪裡題
しをなみたみつころもに
詩涙満衣
 人の京へ還るを送る
    岑参
匹馬西より来たり天外から帰る。
鞭を揚げて只鳥と共に飛ぶことを争ふ。
君を送る九月交河の北、
雪裏、詩を題して涙衣に満つ。
 
意訳
君は、一匹の馬で西の方より来て、辺境の地から帰る。
鞭を揚げて、ただもう鳥と共に争うように走っている。
その君を晩秋の九月の交河の北で私は見送る。
降り続く雪の中で、詩を作れば、涙が溢れ衣に満ちてしまう。
 
交河 中国、新疆ウイグル自治区吐魯番(トルファン)県の西を流れる川。唐代、西域の川として知られた。
 
唐詩選畫本 七言絶句 巻四
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