新古今和歌集の部屋

養生訓 巻第三飲食上 孔子の飲食、温熱食、炊飯方法、肥濃油膩






論語郷黨篇に記せし聖人の飲食の法是養生

の要なり。聖人の疾を慎み給ふ事かくの如し。法と

すべし。

飯はよく熱して中心まで和らかなるべし。こはくねば

きをいむ。煖なるに冝し。羹は熱きに冝し。酒は夏

月も温なるべし。冷飲は脾胃をやぶる。冬月も熱飲

すべからず。氣を上せ血液をへらす。

飯を炊くに法多し。たきぼしは壮実なる人に冝し。

餴は積聚氣滞ある人に冝し。湯取飯は脾胃

虚弱の人に冝し。粘りて糊の如くなるは滞塞

す。硬きは消化しがたし。新穀の飯は性つよくし

て虚人はあしゝ。殊早稲は氣を動かす。病人にいむ。晩

稲は性かろくしてよし。

凡の食淡薄なる物を好むべし。肥濃油膩の物多く

食ふべからず。生冷堅硬なる物を禁ずべし。あつ物

只一によろし。肉も一品なるべし。飣は一二品に止まる

べし。肉を二かさぬべからず。又肉多くくらふべからず。

生肉をつゞけて食ふべからず。滞りやすし。羹に肉

あらば飣には肉なきがし。

【感想】

論語の郷党篇に書かれている孔子の食を養生の要とした。郷党篇には、

食不厭精、膾不厭細、食饐而曷魚餒而肉敗不食、食悪不食、臭悪不食、失壬不食、不時不食、割不正不食、不得其醤不食、肉雖多不使勝食気、惟酒無量、不及乱、沽酒市脯不食、不撤薑食、不多食。祭於公不宿肉、祭肉不出三日、出三日不食之矣、食不語、寝不言、雖疏食菜羹瓜祭、必斉如也。

食は精を厭わず、膾は細きを厭わず。食の饐して曷せると、魚の餒れて肉の敗れたるは食らわず。色の悪しきは食らわず。臭いの悪しきは食らわず。壬を失えるは食らわず。時ならざるは食らわず。割正しからざれば食らわず。その醤を得ざれば食らわず。肉は多しと雖も、食の気に勝たしめず。唯酒は量なく、乱に及ばず。沽酒と市脯は食らわず。薑を撤てずして食らう、多くは食らわず。公に祭するときは肉を宿せず。祭の肉は三日を出でず。三日を出でたるはこれを食らわず。食らうに語らず、寝ぬるに言わず。疏食と菜羹と瓜と雖も、祭るときは必ず斉如たり。

と有る。つまり孔子は、食品の鮮度、摂取量にこだわりを持っていたが、これは現代も同じ。

硬くて粘りあるものは良くない。又冷たいものは、胃腸のバランスを破るとある。暑い時、冷えたビールを一気飲みする小生には耳の痛い話である。冷やし中華に熱い餃子とビールがあれば夏は他に何もいらないのではあるが。冬も熱すぎる汁は駄目とある。季節と異なり過ぎるからかも知れない。

一度炊いたご飯を蒸す餴(ふたたびいい)は胃けいれんに、湯取飯(おかゆ)は胃腸虚弱には良いとある。糊のような炊き方は、滞塞(体内に滞って病気の元となる)とあるがこれは迷信であろう。お強は硬いので消化に悪いともある。新米は現在は好まれるが、性が強いと言う事で悪いとあるが、水を多めにして現在は炊く。早生は病人には悪いので晩稲が良いともある。多くは迷信であろう。

油っこい物は、現在でも慎むものである。肉類は多く食べてはならないとある。飣(さい)は副食の事で、汁に肉を入れたら副食には入れない。肉食が多いと、小腸に滞り宿便となって排泄されにくくなると言う事か?

養生訓巻第三  飲食上

コメント一覧

jikan314
@pmr8559goo さわやか♪様
自分の健康寿命について、気になる世代となりましたので、自堕落な生活❓️を止め、勉強してみようと思い立ったものです解説を書こうとしたのですが、余りにも無知なので、感想としました。
江戸時代のベストセラーですので、漢方的な知識もこれから学びます。
飲食は、孔子時代から重要で、医食同源と言う言葉も有りますので、又ご覧頂ければ幸いです。
pmr8559goo
こんばんは
「論語郷黨篇に記せし聖人の飲食の法是養生」
論語の郷党篇に孔子の食についての考えが書かれているのですね
おどろきました
けっこうそうだなと思うものも書いてあります
いつの世も健康は大事ですからね
勉強になりました
ありがとうございます
健康寿命は大切ですものね
!(^^)!
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