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新古今和歌集の部屋

前田家本 方丈記 飢餓11 崇徳院の位の御時

悳院のくらゐの御時長承のころ

とかかゝるためしありけりとき

けとそのよのありさまはしらす。

まのあたりいとめすらかなりし

ことなり。又おなしころとかよ。おひ

たゝしくおほなひふること

侍き。そのさま世のつねならす

やまはくるれてかはをうすみ海

はかたふきて陸地をひたせり。つ 


 (崇)

徳院の位の御時、長承の比とか、係る例ありけりと聞けど、その世の有樣は知らず。

目の当たり、いと珍かなりし事也。

又、同じ比とかよ、夥しく大地震震る事侍き。

その樣、世の常ならず。

山は崩れて河を埋み、海は傾きて陸地を浸せり。

 


(参考)大福光寺本 

徳院ノ御位ノ時長承ノコロトカカゝルタメシアリケリトキケトソノ世ノアリサマハシラス

マノアタリツラカナリシ事也

又オナシコロカトヨヲヒタゝシクヲホナヰフルコト侍キ

ソノサマヨノツネナラス

山ハクツレテ河ヲウツミ海ハカタフキテ陸地ヲヒタセリ

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