なるをさきとす。かならすしも
なさけあるとすなをなるとを
はあいせす。たゝ紫竹花月をと
もとするにはしかす。人のやつ
こたるは賞罰はなはたしく
恩顧あつきをさきとす。さら
にはくゝみあはれふとやすく
しつかなるをはねかはす。た
たわか身をとするにはしか
(懇ろな)るを先とす。
必ずしも情けあると素直なるとをば愛せず。
ただ紫竹花月を友とせんにはしかず。
人の奴たる者は賞罰はなはだしく、恩顧あつきを先とす。
更にはぐゝみあはれぶと、やすくしづかなるをば願はず。
ただ、我が身をとするにはしか
(参考)大福光寺本
ルヲサキトス。
必スシモナサケアルトスナホナルトヲハ不愛。
只糸竹花月ヲトモトセンニハシカシ。
人ノヤツコタル物ハ賞罰ハナハタシク恩顧アツキヲサキトス。
更ニハクゝミアハレムトヤスクシツカナルトハネカハス。
只ワカ身ヲトスルニハシカ