天明炎上記 樵夫東林
…
東西の河ぎし所せきまでこゝにやのがれんかしこにやと火はさかりにもえて灰烟よもにおほひくれ行空もひるのやうにて風猶はげしくよこぎる雨に降かゝるほのほは衆星の落るかと見え侍ればあなかしこみどころあたりも心もとなしとあしをそらにはせちかふ。
公卿殿上人など殿上のほとりにあつまりさわぎ位袍直衣さま/"\に垂纓巻纓とりまぜてひしめくほどに空はすみをながしたるやうにかきくもりあられは雨のあしにまじりあたる所ととをりぬべく神さへなりひしめく。
…
風しきりなれば吹まく雨に笠もとりあへず衣冠しとゞにぬれてひちり(泥)こはたもとをそむるばかりにあるはとせむ。あるはわらずして南門をひがしに日の門を北に石薬師をひがしに寺町を北にくちけてかもの下のみやしろにぞみゆきまし/\ぬ。社頭の御服所をかりのおましとし拝殿にかしこ所を置奉りぬ。
参考文献
資料京都見聞記 第四巻
編集:駒敏郎他
発行:宝蔵館
最新の画像もっと見る
最近の「方丈記」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事