何為
いかにせむ。せむや、をしのかもとりや、いでてゆかば、おやはありくとさいなべど、よづまはさだめつや サキムダチヤ
いかにせむ。せむや、愛しの鴨取りや、出でてゆかば、親は歩くとさいなべど、夜妻は定めつや さきむだちや。
陰名
くぼのなをば、なにとかいふ。くぼのなをば、なにとかいふ。つらたり、けふくなう、たもろ、つらたり、けふくなう、たもろ。つらたり、けふくなう、たもろ。
陰の名を、何とか言ふ。陰の名をば、何とか言ふ。つらたり、けふくなう、たもろ。つらたり、けふくなう、たもろ
※くぼ 女陰。以下の別名不詳。
鷹子
たかのこは、まろにたばらむ、てにすゑて、あはづのはらの、みくるすのめぐりの、うずらからせむや、サキムダチヤ。
鷹の子は、麿に賜ばらむ、手に据ゑて、粟津の原の、御来栖のめぐりの、鶉狩らせむや、さきむだちや。
道の口
みちのくち、たけふのこふに、われはありと、おやにもうしたべ、こころあひのかぜや、サキムダチヤ
道の口、武生の国府に、我はありと、親に申したべ、心あひの風や、サキムダチヤ
※武生の国府 越前の武生の国府。
※あひの風 東風の越の方言。
老鼠
にしでらの、おいねずみ、わかねずみ、おむしやうつむつ、けさつむつ、けさつむつ、ほふしにまうさむ、しにまうせ、ほふしにまうさむ、しのまうせ
西寺の、老鼠、若鼠、御裳食むつ、袈裟食むつ、袈裟食むつ、法師に申さむ、師にもうせ、法師に申さむ、師にもうせ。
西寺 不詳。奈良の西大寺か京都の西寺か?