新古今和歌集の部屋

漢詩:春夜雨

(ウェッブリブログ 2011年02月08日)


春夜雨
   自閑
春風帯淡霞
夜雨促梅芽
灯下過何日
今年未見花

春風、淡霞を帯び
夜雨、梅芽を促す
灯下、何日も過ぎ
今年は未だ花を見ず

 

この記事へのコメント

獅子鮟鱇 2011年02月09日 16:20
自閑様
 叱正とお書きになっていますが、以下、愚見です。
 起承は初春の夕暮から夜への情景の移ろいを詠んで、最後に梅に焦点をあてているところがいいと思います。結句ともよく照応していて、絶句の仕組みが生きていると思います。
 転句、燭下と詠むことで、起承の外の情景から、家の内へ視点を転じ、燭下の人、つまりは自分の心境を述べると言う流れも、転句の「転」が効いていて、いいと思います。
 ただ、「幾日過」が曖昧です。句意は、まだ咲かない梅を待っていく日過ごしたことか、ということかと思いますが、平仄もあっていないので、もうひと工夫ですね。
 結句は、上記しましたが、承句をうまく受けていて、いいと思います。ただ、「今齢不見花」は「今年未見花」の方がよいのではないでしょうか。

 起承転結がしっかりしていて、さすが平安の和歌に通じていらっしゃる自閑さんだなあ、と感服しました。
 燭下○○●、愚案では、
 燭下人期待(燭下、人は期待す)
 燭下期望切(燭下、期望すること切に)
 燭下消寒酒(燭下、寒を消すの酒)
 燭下期香夢(燭下、寒を消すの酒)→枕上期香夢

 なお、「燭下」は、「灯下」でもよいのかも知れません。

自閑  2011年02月14日 08:36
獅子鮟鱇様
コメント有難う御座います。
過について、暫く調べており、平仄の両音なので、過ぐとして良いかなあと思った次第です。
連日の徹夜で、今年は梅の花をゆっくり観賞する暇がないなあ。というこで蛍光灯の下で仕事しているので、灯下としました。
こういった場合は、過幾日とすべきなのでしょうか?

不見花も未見花の方が余情があるかと迷っている所です。

今齢は、もともと今歳と「年年歳歳」をイメージしたのですが、仄音ということで、今齢としたのですが、今年の方がやっぱり良いですよね。
また、作りますので叱正頂ければ幸いです。

獅子鮟鱇  2011年02月14日 12:35
自閑様
 燭下幾日過の平仄についてですが、お書きになったとおり、「過」は平仄両音です。
 「幾」には平音に読む場合と仄声に読む場合が区別されており、「いくら」の場合は仄、「ちかい」などの場合は平です。
 「幾日」の場合の「幾」は仄。
 そこで、「燭下幾日過」の平仄は、平声押韻の絶句の転句ですので「過」を仄に読み、「●●●●●」になります。

 「燭下幾日過」を「燭下過幾日」とするのはどうか、ですが、「過幾日」という語順にすることは可能です。
 ただし、その場合でも「●●過●●」ですので、過を平に読んでも二四同ですので、やはり平仄はあいません。

 そこで、燭下過何日●●○○●とするのもありかと思います。
 
自閑  2011年02月14日 12:45
獅子鮟鱇樣
早速の御教示有難うございます。
平仄両韻を暫く調べており、少し理解してからご質問しようと思っていました。
思いを詩に託すまで、未だ未だだなあと思っています。
又御教示頂ければ幸です。

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