新古今和歌集の部屋

枕草子六十一段 橋 かささぎの渡せる橋

枕草子 六十一段 橋
橋はあさむつの橋。長柄の橋。天彦の橋。浜名の橋。ひとつ橋。うたた寝の橋。佐野の舟橋。堀江の橋。かささぎの橋。山菅の橋。をつの浮橋。一筋渡したる棚橋、心狭けれど、名を聞くにをかしきなり。

新体系
新古今和歌集・冬・大伴家持「鵲の渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける」

全集(六十二段)
天の川に架かっているという想像上の橋をさすか。七夕の夜、天の川に鵲が羽をつらねて、織女星を渡すという。

講談社学術文庫
七夕の夜、天の川に鵲が羽をつらねて、織女星を渡すという、想像上の橋か。『淮南子』に「烏鵲塡河成橋、渡織女」とある。『八雲御抄』は「天河也」とコメントする。『古今和歌六帖』第三・橋に「中空に君もなりなんかささぎのゆきあひの橋にあからめなせそ」、『拾遺集』雑秋「天の河扇の風に霧はれて空すみわたるかささぎの橋」などの用例がある。ちなみに『新古今集』冬、大伴家持「鵲の渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける」の場合は、宮中を天上に見立て、その御階をいう。なお、この「かささぎの橋」を『能因歌枕』では「周防」の国とし、『夫木抄』では「周防、或は土佐」とするが、今は採らない。『能因歌枕』は「歌枕なみの扱い」(角文)をしたものか。



















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