新古今和歌集の部屋

歌論 俊頼髄脳 仁徳天皇

俊頼髄脳

おほよそ歌は、神佛みかどきさきよりはじめてたてまつりて、あやしの山賤にいたるまで、その心あるものは、皆詠まざるものなし。神佛の御歌は、さきにしるし申せり。
帝の御製は、大鷦鷯の天皇の、たかみくらにのぼらせ給ひて、はるかにながめやらせ給ひて、詠ませ給へる御製、
高き屋にのぼりて見ればけぶり立つ民のかまどもにぎはひにけり
これは、都うつりのはじめ、たかみくらにのぼらせ給ひて、民のすみかを御覽じて、詠ませ給へる歌なり。かまど、などは、歌に詠まむには卑しき詞なれど、かみ詠みおかれぬれば、はばかりなし。
【略】


新古今和歌集 巻第七賀歌
貢物許されて國富めるを御覧じて
 仁徳天皇御歌
高き屋にのぼりて見れば煙たつ民のかまどはにぎはひにけり

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