水をまかするといへば、任るといふをかけて云也。
ますらおとは、賤夫とかくなり。
一 延㐂御時御屏風に 凡河内躬恒
一 春雨の降そめしより青柳のいとのみどりぞ色まさ りける
増抄。心明なり。初と染とをかねていへり。
糸と云ものはあひにてそめて色のます
ものなる故に、柳を糸とみたてゝ、柳の糸は
春雨のふりてまさる由也。青柳の糸
したぢが青きものなる故に、春雨にま
さる色といへり。したぢ青からぬものなれ
ば、まさるといふ詞おきがたきなり。かやう
のことをこゝろへぬべきものなり。
頭注
よりてとは依て也。
雨のふりそめし
によりて色ま
さる也。又はそれ
よりてと云義
もあり。